2017年3月8日水曜日

「働き方」を斬る - IT業界、6人に1人がブラック状態:ITpro

「働き方」を斬る - IT業界、6人に1人がブラック状態:ITpro:

 今回は政府の労働基準法を改正して「月45時間かつ年360時間」と上限規制する案を提示することを受けて、ITProで行われたアンケート結果を島津忠承氏の記事から働き方について考えてみようと思います。一応、臨時的な場合に労使が特別の協定を結べばこの上限を超えられますが、それでも「年間720時間(月平均60時間)」を上限にするとしています。ITProで取られたアンケートですので対象はIT業界を中心とするものですが、ブラックも多いと聞くIT業界ですので、果たしてこの上限を守れそうなのかどうか気になるところです。

 まず、最初は直近3カ月間の月平均残業時間は、このように(↓)およそ3割が政府案の上限である月45時間を超える残業を行なっているとのことでした。月60時間超の「ブラック」環境も17%以上、「過労死ライン」とされる月80時間超の残業をしている人も6.5%もいて、この結果はもはや現場の長時間労働は命を削っているんじゃないかといくらいに感じます。
そんなにも残業時間が増えるのはどうしてかというと、業務の量が膨大にもかかわらず、人手不足で同僚の助けも期待できず、しかも厳しい納期を突きつけられるという「三重苦」に陥っていることが見て取れます(↓)。一般的な人にとって残業時間が増えるのは突発的な業務が多いことが最も多い理由でしたが、こと60時間以上の残業をする人に限れば、それよりもそもそも担当業務が多いこととメンバーが少ないことが大きな理由になっており、数少ない「エース」に仕事が集中していることが見て取れます。

 では、政府案のような残業に上限を設ける案が実現された場合、どんなことが懸念されるかというアンケートの結果は、概ね予想通りですがサービス残業が増えるだけだという冷めた意見が最も多く出ています(↓)。

 今回のアンケート結果は概ね予想通りで、仮に政府案が実現したとしても月45時間という上限はほとんど有名無実になってしまい、本来臨時的な特別処置であるはずの月60時間がターゲットに、それを超える分はサービス残業として表に出てこないようになる可能性が高いように思えます。本来は政府案は経営層に対する「縛り」を目的とするものですが、実際には労働者が泥を被るだけになりそうだと懸念されます。

 実は、以前に残業する理由のトップは残業代が欲しいからという記事を書いた時、「長時間残業=悪」とは必ずしも限らないというご意見をいただいたのですが、これは自分も全面的にそう思います。例えばスタートアップして間もない時期に起業家が寝る間も惜しんで仕事をする、画家や作曲家が得られたインスピレーションを絵や譜面に徹夜で焼き付ける、研究の中で新しい発見があり徹夜でデータを取る、そういった一時的な長時間労働はあってしかるべきです。自分もソフトウェア開発という仕事をしている関係で、開発作業が "ノッて" いるときは遅くまで残って作業することもあります。しかし、やはりそういうのはあくまでも一時的であるべきなのです。長時間労働が「常態化」することこそ悪なのであって、そこをはき違えてはならないんだと思います。「長時間労働の常態化」は労働者ではなく経営者の責任として、経営者を「縛る」ような施策がもっと必要なのかもしれません。単純に上限を設けるだけではなく、45時間を超えると残業手当は30%増し、60時間を超えたら残業手当は50%増しとか、今でも大手の企業では行われていると思いますが中小企業までしっかり守らせるというのも1つの方向性かもしれません。

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