2017年6月13日火曜日

宇宙人はすでにデジタル世界で休眠中? フェルミのパラドックスを解く新説

宇宙人はすでにデジタル世界で休眠中? フェルミのパラドックスを解く新説|ギズモード・ジャパン:

 今回はちょっと突飛なお話ですが、宇宙人の存在に関する面白い新説が唱えられているという話です。宇宙人の存在に関しては、「フェルミのパラドックス」というのがあります。それは、物理学者エンリコ・フェルミ氏が指摘した、地球外文明の存在の可能性の高さと、そのような文明との接触の証拠が皆無である事実が矛盾しているということです。

 フェルミのパラドックスを解く説は、現実的なものからおとぎ話のようなお話までいくつか提唱されています。例えば、そもそもこの宇宙には地球以外に生命体が存在しないという説や、宇宙人は存在するが恒星間空間に進出し地球にたどり着くための進化・技術発展における難関を突破できないとする説。しかし微生物レベルの地球外生命体の証拠はすでに見つかっているので、最初の説は可能性が低そうです。他にも、地球の生命に擬態して正体を隠しているとか五次元に存在するので我々には検出できないなんて、SFのような荒唐無稽な説もあるようです。今回の元記事は、Journal of the British Interplanetary Societyに発表されたAnders Sandberg、Stuart Armstrong、Milan Ćirkovićの各氏による論文を紹介し、パラドックスを解く新しい説=宇宙人休眠説を紹介しています。

 「宇宙人休眠説」とは一体どんなものでしょうか。それは文明が高度に発展している宇宙人は、すでに肉体を捨てて「デジタル化」しているという仮説です。シンギュラリティを描いた映画「トランセンデンス」でジョニー・デップ演じる博士が、自分の意識をコンピュータにアップロードしましたが、まさにそれと同じように、脳をデータ化してコンピュータネットワークの中に生きる場所を移したという説なのです。これまでの説の中でも特に荒唐無稽な説だと見えますが、実は未来学者・宇宙生物学者・地球外知的生命体探査のエキスパートといった人たちの中に、宇宙人は肉体を捨て去ってデータとして存在しているという説を支持する人は増えているのだそうです。

 データになってしまえば、肉体の寿命にとらわれることなく「永遠の生命」を得ることができます。もちろん、そのコンピューターネットワークの存在する限りということではありますが。しかし、そんなデジタル化した文明を維持するには、現在の宇宙の温度では高すぎるというのです。現在の宇宙背景放射の温度は3K(ケルビン)ほど、摂氏温度に直せばー270℃ほどで、自分などこれ以上冷やす必要がないほど十分寒いと思うのですが、専門家の見立てでは、デジタル化した宇宙人の文明にとってはそれでも暑すぎるんだそうです。確かにコンピューターにとって熱は最大の敵で、実は自分もサーバーがたくさん配置されたデータセンターに入ったことがありますが、サーバー室は真夏でもコートが必要なくらいガンガンに冷房をしてコンピューターを冷やしています。それにしても、ー270℃が暑いというのは、「デジタル宇宙人」が生きているコンピューターネットワークはどんなスーパーコンピューターなのでしょうか。

 そして今回の新説は、かつて地球外高度文明は存在していたものの、すでにほとんどの宇宙を探索し終えて、今は宇宙が冷えるまでの休眠状態に入っているという主張になります。確かに、宇宙人がデジタル化された存在だったら人類とまだ出会っていなくても不思議ではないですし、休眠中であればなおさら出会うのは難しいでしょう。

 しかし、宇宙人が肉体を捨ててデジタル宇宙人となり、コンピューターネットワークの中で休眠しているので人類が彼らに出会えないというのは、やはりSF的で荒唐無稽な説に思えます。SF作家・天体物理学者、地球外知的生命体探査のエキスパートという肩書を持つデイヴィッド・ブリン氏は、この学説を面白いとしつつも、いくつかの欠点を指摘しています。1つは「休眠」ということに必然性がないことです。何もパソコンのスリープ機能のように完全休眠でなくてもいいはずで、省エネモードで少しずつ活動していてもいいのではないでしょうか。2つ目は、完全休眠状態にいる間に、他の宇宙人に攻撃されることはないのかというものです。高度な文明を持って自らデジタル宇宙人となった宇宙人は、1種類とは限らないじゃないですか。

 ツッコミどころ満載のこの新説ですが、色々な可能性を考えて1つ1つ検証していくという「仮説」の考え方からすれば、面白い仮説ですね。もしかして、高度な文明を築いて自らの肉体を捨て去り、コンピューターネットワークの中でデータとして生きていくという道を辿るのは、われわれ人類の未来だったりして...

0 件のコメント:

コメントを投稿