2017年6月14日水曜日

プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違い、あるいは会社にとって死活的に大事なのはどちらか?

プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違い、あるいは会社にとって死活的に大事なのはどちらか?:プロジェクトマジック:オルタナティブ・ブログ:

 今回の話題は、IT系業務におけるプロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いを説明した白川克氏の記事を元に、少し仕事の愚痴も入りますが自分のような電機メーカーの開発現場もIT系と近い問題があるという話題です。少し愚痴っぽいかも??

 まずプロジェクトリーダー(PL)とプロジェクトマネージャー(PM)のイメージを元記事から転載させて頂きます(↓)。当たり前ですが、PLとPMの違いはリーダーとマネージャーの違いなわけですから、前者はプロジェクトを導く立場、後者は管理する立場ということになるでしょう。

 白川氏によれば、日本ではPMがPLよりも役職的に上であることが多いので、「名目上の偉い人≒PM」で「実際に現場を取り仕切る人≒PL」というように見られがちですが、本来のあるべき姿は、PM・PLというのは「仕事内容の違い」であってエラさの違いではありません。しかし自分のところもそうなのですが、古き良き日本企業は「エラい=マネージャー」というのが刷り込まれていますので、実際にはプロジェクトのことなど分からないがエラい人というのをPMというポジションに祭り上げておくということはよくあります。つまりPMとは名前だけの人で何もしない(たまに工程表をチェックして、遅れを取り戻せとゲキを飛ばすだけ)、実際にはPLとされる人がPMとPLを兼ねるというのが実態であることが多いと思います。

 本来の定義におけるPLとPMを見たとき、「よそ者」でも務まるのがPM・内部の人しか務まらないのがPLと言えるかもしれません。古き良き日本企業で、無能だが役職だけエラい人がPMにおさまりいいのも、プロジェクト固有の課題や問題点・解決方法といった部分には入り込まず、全てのプロジェクトでも共通的に必要なPDCA(Plan・Do・Chech・Action)を回すことが仕事です。アメリカなどではPMという仕事それ自体がプロの仕事として認知されていますが、それでもPMは「外から買ってくることができる」と言われるのはそのためです。それに対してPLは、チームをまとめゴールまで導くリーダーですので、経営層や関連部署などの関係者を巻き込んで彼らを納得させ、チームメンバーにやるべきことをやってもらい、次々と起こる問題を乗り越えながら狙い通りのITをつくり上げるのです。つまりPLは使い回しをすることができない、あるプロジェクトで素晴らしい力量を発揮したPLがいるからといって、彼を全く別部署のプロジェクトに引っ張ってきてもうまく力量を発揮させられないのです。それはそうですよね。全く門外漢なプロジェクトにヘッドハンティングされても、利害関係者とのコネクションもなければ狙うべきゴールもイメージできず課題の解決方法も手探りになるはずです。

 したがって、育てるべきはPMではなくPLなんだというのが白川氏の主張です。自分も概ね賛成です。特に日本企業のような無能だがエラいPMは「お飾り」だけですので、実質的にプロジェクトの成否のカギはPLの双肩にかかることになります。ただ、そんな日本企業のお飾りPMであっても、できればその「エラさ」を活用して経営層や関連部署とのネゴ(交渉)に活躍の場を持って欲しいと思っています。白川氏によれば、関連部署のネゴもPLの仕事に割り振られていますが、社内でお飾りPMを立てる場合はその仕事はPMの仕事としたほうがいいと思います(もちろん社外からプロPMを買ってくる場合は違います)。

 ところで、自分のようなメーカー系開発の場合は、白川氏の主戦場であるIT系と違ってソフトウェア開発メンバーは少人数であることが多いので、PLは設計者が兼ねるケースが多いと思います。つまりPLは、設計者とプログラマー数名(外注も含む)の中のリーダーということになります。恐ろしいことに1人プロジェクトというものがあって、PL・設計者・プログラマーを全て1人が兼務ということさえあります。IT系の開発プロジェクトはオートメーション化された最新工場のように役割分担されていますが、自分たちの場合は家内制手工業のように何でも1人でこなしているのが実態です。もちろん開発するプログラム規模が小さいことが多いのでそういうことが可能なのですが、必然的に少人数のプロフェッショナル(その製品のソフトウェア全体をスミからスミまで理解しているような人)が生まれやすい土壌で、彼らは余人をもって代えられない人材となります。リプレースできない人材というのは経営面ではリスクになり、例えばある製品のPLが会社を去ってしまうとその製品の継続すら危ぶまれる事態になりかねません。実は、自分のところでも最近、キーマンだったPLが抜けてしまったある製品(システム)の継続開発ができないので、一から作り直してもらえないかという話が来ています。仮にそうしたところで今度はキーマンが自分になってしまうだけですから、本質的な解決にはならないのですが、経営層としては何かトラブルがあった時にキーマンが社内にいることの安心感を得たいのかもしれません。

 PMは汎用的なマネージャー、PLはプロジェクト特化型のキーマンです。外から買ってくることもできるのがPM、社内でしか育てられないのがPLです。したがって、真っ先に社内で育てるべきなのはPLですが、PLは一朝一夕には育たないことも事実です。さらに、自分たちのようなメーカー系開発の場合は開発人数が少ないがために、PLの重要性はより一層増すように感じています。企業は、社内で育てたPLが他所に行かないよう、囲い込むくらい大切に扱ってほしいものです。

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