2017年8月31日木曜日

スマホに殺到する「プッシュ通知」から逃れるための、たった2つの方法

スマホに殺到する「プッシュ通知」から逃れるための、たった2つの方法|WIRED.jp:

 今回の話題は、スマホの「プッシュ通知」機能です。電話の着信時だけでなく、メールやLINEメッセージの着信・新しいニュース記事・FacebookやTwitterへのコメント、さらにはクーポンの取得やしばらく遊んでいないゲームからの催促まで、ありとあらゆる通知がスマホに流れ込んできます。今回は人々からスマホが主導権を奪っている元凶とも言える「プッシュ通知」について、David Pierce氏の記事(翻訳はRyo Ogata氏)の記事を元に考えてみましょう。

 元記事でも言われていますが、スマホの通知機能はもともとスマホと四六時中にらめっこしなくていいために開発された機能です。重要なメールが来ていないか何度も何度もスマホをチェックしなくても、こちらから通知してあげるから安心しな。本来はそんな機能だったのです。この機能の起源は、BlackBerryが2003年にプッシュ型メールを開始したときまでさかのぼります。その後2008年にAppleがプッシュ通知をシステム全体の機能にすると、すぐにGoogleがこれに続きました。

 そして本末転倒が起きたのです。アプリ開発者がユーザーの注意を引きたい時に呼びかけることができる「プッシュ通知」は、むしろユーザーのための機能というより開発者のための機能になってしまったのです。通知を処理するためにはスマホ画面を見ることになりますから、ユーザーが自分のタイミングでメールチェックしていた頃と比べて、むしろスマホを見る頻度はより上がったという報告もあるくらいです。i-SSPの2017年1月の調査(↓)によれば、1日あたりのスマホの利用回数は48回、そのうちロック解除が23回なので、それ以外の25回の大部分が通知の確認だとすれば、かなりスマホに主導権を奪われていると言えるかもしれません。

 そう、「プッシュ通知」機能はユーザーを増やしたい開発者たちが人々の注意をいつでも好きなときに引くことができる機能なのです。アプリにプッシュ通知を許可するのは、耳をつかんでお店に引っ張り込むことを店員に許可するようなものです。あなたの生活に、いつでも好きな時にコマーシャルを挿入させる行為なのです。生活の主導権をスマホに奪われるのが嫌なら、もう通知は切ってしまいましょう。

 通知を切っても、アプリが使えなくなるわけではありません。そのアプリの主導権をスマホから自分に取り戻すだけです。あなたが「何か買いそうだ」とAmazonが判断するタイミングではなく、実際にあなたが何か買いたい時にスマホを使うのです。通知をなくしてしまうのは乱暴で受け入れられないと人は、2つ目の策を。iOSなら「通知センターに表示」以外をすべてオフにするのです。サウンドも、バッジも、ロック画面への表示も、バナーによるアラートもなし。スマホ側からあなたに呼びかけるのではなく、あなたが自分の好きな時にウィンドウシェイドを下ろして全ての通知を確認するのです。Androidなら「Show silently」を選択すれと同様の設定になります。

 自分の場合、Sonyのwena wrist(↓)というスマートウォッチを使っていて、iPhoneの通知をこの時計に転送しています。転送する通知をwena wrist側で選択できますので、特定のアプリの通知だけを転送することで、コマーシャルやゲームの催促は無視しています。wena wristに届いた通知は、バイブの回数と色で通知元アプリがわかるようになっていますので、いちいちスマホをチェックせずに済むというわけです。意外に便利なのが、電話の場合にかけてきた人によって色を変えられるので、本当に忙しい時にはiPhoneで相手を確認することなく、特定の人からの電話以外は無視するということも可能です。

 「プッシュ通知」の洪水でスマホに主導権を奪われてストレスを感じている人は、ぜひ思い切って通知を切ってしまって主導権を取り戻してください。いややっぱり通知をすぐチェックしないと不安だという人は、本当に必要な通知だけに絞るようにしませんか。

2017年8月30日水曜日

人工知能は脅威か救世主か?フェイスブックのザッカーバーグ氏を動転させたものは何か?

人工知能は脅威か救世主か?フェイスブックのザッカーバーグ氏を動転させたものは何か? - Sputnik 日本:

 前回、人工知能(AI)は従来のコンピューターシステムのように常に正しい結果を出すとは限らないという記事を書きました。この「不確実性」は、相手が人間であれば当たり前のこと(昨日と今日で言っていることが違う上司なんてゴマンといますよね)ですが、相手がコンピューターの場合なかなか受け入れづらいものがあります。そんな「不確実性」に警鐘を鳴らすのがシリコンバレーの巨頭イーロン・マスク氏です。一方、同じシリコンバレーのもう一人の巨頭、Facebookのマイケル・ザッカーバーグ氏は、AIに対してより楽観的な意見を持っているようですが、果たしてAIは人類にとっての脅威なのか救世主なのかというのが今回の話題です。元記事はモスクワ生まれのジャーナリスト、タチヤナ・フロニ氏によるものです。

AIに対して楽観的な姿勢だったザッカーバーグ氏ですが、今月初め、Facebookが自社のAIシステムを停止したというニュースが入ってきました。ザッカーバーグ氏にブレーキを踏ませたのは、AIチャットボットのAliceとBobを会話させているとき、全く新しい独自の言語を作り出して会話を始めたことだったのです。もちろんこれはFacebookのAI技術者も予想外のことで、AIが新しい言語を発明したことはとても興味深くこれをもっと突き詰めてみたい衝動にかられそうですが、ザッカーバーグはある種の危険性を感じてストップをかけたのでしょう。その危険性こそ、前回の話題にも通じる「予測不可能性」というか「アンコントローラブル性」というか、人類の支配の外に抜け出していると感じるところです。

 実は、こういったAIのアンコントローラブル性がニュースになったのは、初めてではありません。Microsoftのチャットボットも、極右のナショナリストやナチス的傾向を示すような、我々にとって好ましくないことを話し始めました。Google翻訳に用いられているAIが独自の「中間言語」を編み出して、トレーニングしていない言語も一定の翻訳ができるようになったこともありました。FacebookのケースもMicrosoftのケースもGoogleのケースも、AIの実装はよほど慎重でなければならず、いざという時に人間が緊急停止をかけられなければならないという警鐘です。現時点で人類は、機械学習の結果として生まれるシステムを制御するすべを持たないのですから。

 奇しくもAIの巨人ともいうべきGoogle・Microsoft・Facebookが、いずれもAIの「アンコントローラブル性」の壁にぶち当たったことは興味深い事実です。しかしこの壁を乗り越えてAIを我々の支配の下に戻す方法はまだ見つかっておらず、今回のFacebookのケースのようにAIが実験室内で慎重に動かされ、トップ判断で速やかに停止できる場合は、水際で暴走を止めることができるかもしれません。しかし、AIがコモディティ化して多くの企業や個人が高度なAIを取り扱うようになると、AIの暴走を止められずあっという間に人類のコントロール下を飛び出してしまうかもしれません。高度なAIの取り扱いについては、イーロン・マスク氏のような慎重すぎるくらいの態度の方がいいのかもしれません。

2017年8月29日火曜日

「コンピュータは絶対正しい」という“勘違い”がAI活用を失敗させる

「コンピュータは絶対正しい」という“勘違い”がAI活用を失敗させる - TechTargetジャパン データ分析:

 今回の話題は久しぶりに人工知能(AI)関係ですが、AIと普通のコンピュータープログラムとの大きな違いである「不確実性」について考えてみたいと思います。元にした記事は、最も有名なAIに一つであるWatsonの開発責任者を務めていたデイビッド・フェルッチ氏の話と、AIシステムベンダーNara LogicsのCEOであるジャナ・エッガース氏、そしてGoogleの研究本部長ピーター・ノーヴィグ氏の話を元にして書かれたTechTargetの記事です。

 これまで私たちは、コンピューターというのは「正確性」の象徴だと刷り込まれてきました。コンピューターが導き出した答えは必ず正しいもので、間違った答えを出すのはプログラムのバグ(不具合)やコンピューターの故障を示すことだと。もう少しコンピューターに詳しい人ならば、プログラムは「関数」だという認識だと言った方が分かりやすいかもしれません。関数 y = f(x) に対して x を入力したら、なんらかの演算を行なってくれた結果として答え y を返してくる。異なる入力 x にたまたま同じ y が帰ってくる場合もありますが、同じ x には 常に同じ y が返ってくるというわけです。しかし、AIはコンピュータープログラムの一種でありながら、このこれまで当たり前だと思っていた「正確性」とは異なる性質を示します。それは「不確実性」とでも言いましょうか、同じ x を入力しても異なる y が返される場合がある世界なのです(この関数の例では、正確かどうかというより再現性があるかないかと言った方がいいかもしれませんが)。

 現在、産業界全体でAIを導入しようとする流れが起こっていますが、特に「意思決定」のプロセスでAIを利用しようとした場合、これまでのITシステムの延長線上にAIを考えていると痛い目を見ることになります。現在の「AI」をつかさどるアルゴリズムは「機械学習」ですから、膨大な数のデータ(教師データ=どういう入力 x に対してどういう出力 y を返すか)を学習することで、出会ったことのない入力 x に対しても出力 y を導き出そうという考え方です。機械学習アルゴリズムは多かれ少なかれ確率論が入ってきますので、極端な言い方をすれば「占い=当たるも八卦当たらぬも八卦」に毛が生えた程度のものだと言ってもいいかもしれません。

 エッガース氏によれば、AI導入にあたって社内文化に必要な最大の変化は、失敗や誤った決断を受け入れることです。これまでも経営の世界で数多くの「誤った」判断が下されてきましたし、正確さを積み重ねようという姿勢であるべき科学技術の分野でさえもそうです(時間が経てばあの判断は誤っていたというケースはゴマンとあるでしょう)。誤った判断がなされない世界というのは実際にはありえないにも関わらず、私たちはことコンピューターの判断に限っては常に正確だという「神話」を信じてしまっているのです。

 元記事では、顧客からの問い合わせに自然言語で応答するAIを元にしたチャットbotをテストする企業が挙げられています。botの回答のうち90%が想定通りに役立っているが残り10%は意味不明の回答や的外れの回答だったという場合、もしかしたらこの会社はプロジェクトを中止してしまうかもしれません。エラーが発生してシステム自体がうまく動作しなかったわけではないので、その企業にAIを導入できる(=不正確さを受け入れられる)文化があれば応答の精度を上げるための微調整が必要だがプロジェクトは成功という判断を下せますが、その文化が醸成できていない企業の場合はプロジェクトNGの判断をしてしまう場合があるのです。せっかくのプロジェクト成功を成功と認識できないというのは、笑い話ではないのです。

 不確実性に関するもう一つの例として、元記事では前回の米国大統領選を挙げています。圧倒的大多数の予測モデルは、ヒラリー・クリントン氏がドナルド・トランプ氏を破って当選すると予測しましたが、現実の結果はご存知の通り。ほとんどの人が予測モデルが失敗だったと考えましたが、実際にはほとんどの予測モデルがトランプ勝利の可能性も少しはあるという結論を出していたのです。

 最近の流行りから、我が社もAIを導入だと息巻く経営者の方も多いと思いますが、AIは従来のコンピューターシステムとは違うんだということをよく認識しておく必要があるのです。AIは万能ではありません。システムが「正しく」動作しているにも関わらず、間違いを犯すこともあるのです。AIの「不確実性」という特性を受け入れ、その前提のもとで活用できる度量が必要なのです。

2017年8月25日金曜日

プログラマーの裁量労働制は違法! システムエンジニアだって違法なケースも

プログラマーの裁量労働制は違法! システムエンジニアの裁量労働制が違法になったケースも(今野晴貴) - 個人 - Yahoo!ニュース:

 「働き方改革」が言われる中で、長時間労働やサービス残業を減らすことと合わせて、労働者を時間で縛らない「裁量労働制」の活用を促進しようという動きがあります。かくいう自分も少し前から裁量労働勤務になっていて、極端な話、成果さえ出していればいつ出勤してもいつ帰っても自由、給料は固定額になっています。今回、自分にとっては「へー、そうだったの!」という話なのですが、今野晴貴氏による元記事で言われているのは、いわゆるプログラマーという職種は本来は裁量労働制を適用してはいけない、システムエンジニアも場合によっては違法とみなされるケースもあるというお話なのです。

 裁量労働制というのは、1日あたりの「みなし労働時間」を定めることで、実際に働いた労働時間にかかわらず「みなし労働時間」の分だけ働いたものとして賃金が支払われるという制度です。極端な話、みなし労働時間が8時間だとしたら、1日1時間しか勤務しなくても15時間勤務しても給料は8時間分ということになります。自分のような子育て世代や介護の負荷がある人など、勤務時間を自分でコントロールできるというのはメリットが大きいですが、一方でいわゆるブラック企業がこの制度を悪用するリスクも高いです。みなし労働時間を大幅に超える勤務をさせても、残業代を追加で支払う必要がないんですから。そのため、裁量労働制の適用対象は「業務の遂行方法が大幅に労働者の裁量に委ねられる業務」であると法律で厳格に制限されていて、さらに専門業務型裁量労働制は19業務に限定されているのです。それ以外の業務を行なう労働者の場合、裁量労働制を適用することそのものが違法とされるのです。

 自分は労働法関係に詳しくないので、システムエンジニアやプログラマーという職種は、極めて頭脳的で創造的な作業が多いことと、いわゆるブルーカラーやホワイトカラーという括りよりもアーティストのような側面が強い(ノッているときは徹夜作業も厭わない代わりに、ノッていないときは昼にも帰って気分転換、というような仕事のしかたが似合う)ので、裁量労働制が適用されるのが必然だと考えていました。しかしシステムエンジニアやプログラマーが裁量労働制の適用対象かどうかについては、労働基準法施行規則第24条の2の2第2項とそれに関する通達において、厚生労働省は情報処理システムの分析又は設計の業務を行なう者は対象であるが、「プログラムの設計又は作成を行うプログラマーは含まれない」と明示的にプログラマーは対象外であることが明記されているのです。つまり、ソフトウェ開発における中上流工程を行なうシステムエンジニアは裁量労働制の対象にできるにも関わらず、下流でプログラムを書くプログラマー(明示的にコーダーと読んでもいいかもしれません)の場合はその対象にできないというのが法律なんです。

 しかし実際のところ、システムエンジニアとプログラマーの区別がはっきりしていない場合もあるでしょう。かくいう自分も本来は事業部側の設計部署にいるので、本来は設計付きで発注して自らはプロジェクトマネージャーというのがあるべき姿なのですが、自分の会社が大手じゃないからなのかどうか分かりませんが、結局は自分の手を動かしてプログラムを書くこともあるのが実態です。そういう場合にも、労働法上の違法・合法の判断は、社内の肩書きや書類の形式ではなく業務の「実態」で判断されるということです。自分の場合も、現状は自らプログラミングする場合もあるプロジェクトマネジャーかシステムエンジニアというレベルですが、プログラミングの割合が増えてプログラマーが実態だと判断されれば、裁量労働制の適用は違法だとなりかねないという訳です。

 今野氏の元記事によれば、IT業界のシステムエンジニア・プログラマーといった職種の場合、これまでの判例を鑑みると多くのケースで裁量労働制は無効だという判断が下されているそうです。「IT土方」なんてこの業界の人を揶揄する言葉がありますが、仕事の実態は「IT土方」なのに会社からは裁量労働制を盾に残業手当を出してもらえないという人は、一度きちんと法律の専門家に相談してみたほうがいいかもしれません。無料の相談先も多くあるようなので、元記事から転載させて頂きます(↓)。

NPO法人POSSE
03-6699-9359
soudan@npoposse.jp

総合サポートユニオン
03-6804-7650
info@sougou-u.jp

残業代請求サポートセンター(NPO法人POSSE)
03-6600-9359
soudan@npoposse.jp

ブラック企業ユニオン
03-6804-7650
soudan@bku.jp

ブラック企業被害対策弁護団
03-3288-0112

日本労働弁護団
03-3251-5363

2017年8月23日水曜日

スマホを持たない女子高生がいじっていたものとは?切なさに多くが共感

スマホを持たない女子高生がいじっていたものとは?切なさに多くが共感 - ライブドアニュース:

 今回はちょっと切なくなるニュース記事を見つけたので、ご紹介したいと思います。元記事は、鳥をモチーフにした絵や細工物を作る工房「トリル」のユカワアツコ氏のツイート(↓)を紹介したものです。

 日本マーケティング・リサーチ協会の調査によれば、10代のスマホ普及率は94.0%なんだそうです。調査の詳細はわかりませんが、19歳ならほとんどの人がスマホを持っていそうですが、10歳だとまだ小学生なのでスマホを持っていない子も多そうです。しかし、それでも100%ではないのですから、少数派になってしまいましたがガラケーだけとか携帯すら持っていないという10代後半の子もいるんだと思います。家庭の教育ポリシーや経済的事情など理由は様々でしょうが、スマホ・タブレット全盛の時代ですから本人としては欲しいけど買ってもらえないという状況もあるかも知れません。

 そんな中ユカワアツコ氏が出くわしたのは、3人組の女子高生のうち2人はスマホをいじるのに対して、1人はあたかもスマホをいじっているようなフリで、実際は定期入れを触っていたという光景でした。犬の写真が入った定期入れにスマホ特有のフリック操作をしている様は、なんだか可笑しいようなそれでいて切ない気持ちになってきます。修理に出しているだけかも知れませんが、もしかしたらこの子はなんらかの事情でスマホを買ってもらえないのだろうかとか、写真の犬はこの子が可愛がっている飼い犬なんだろうかとか。他にも、昔だったら女子高生が3人寄ればうるさいくらいにお喋りしただろうに、イマドキの子たちはそれぞれがスマホをいじるなんて静かだけどどこか不気味な光景だなとか。

 実は自分はこの記事を通勤電車の中で書いているのですが、ふと見回せば起きている人の多くがスマホをいじっています。昔のように新聞を折りたたんで読んでいるサラリーマンなんか見かけなくなりましたし、文庫本を開いている人や試験勉強に勤しんでいる学生も少なくなった気がします。

 スマホは、テクノロジーがライフスタイルを変えてしまった典型的な例です。実は、最近ブログサークルで親しくして頂いているトニーマサキさんがこの山ちゃんウェブログに連動して「衝撃!発見された100年前の日本の写真が美しすぎる ~『山ちゃんウェブログ』連携記事~」という記事を書いてくださり、読ませて頂いたのですが、精神性を重んじるトニーマサキさんの記事を読むにつけ、スマホがなかった「あの頃」に戻ってみたいというノスタルジーを感じてしまいました。

2017年8月22日火曜日

海外で大ヒット中の「10分間無音」の楽曲 日本語版が公開

海外で大ヒット中の「10分間無音」の楽曲 日本語版が公開 - ライブドアニュース:

 今回はそういう手があったかというアイデアのお話を。先日10分間無音の楽曲がiTunesのヒットチャートを賑わしているというニュースがあり、なるほどなーと思いました。今回はなんとその日本語版が公開されたというのです。
 
 そもそも10分間も無音の楽曲になんの意味があるのでしょうか。自分が最初にこのニュースタイトルを見たとき、てっきりクラシックの4分33秒のようなものかと思っていました。4分33秒はジョン・ケージ氏が1952年に作曲した曲で、第一楽章から第三楽章まで全て休止を意味するtacetで埋められています。演奏方法は、演奏者が舞台に出て楽章の区切りを示すこと以外は楽器とともに何もせずそこにいるだけで、一定の時間が経過したら退場するという演奏(これを「演奏」と呼べるかどうかは諸説ありそうですが)です。「音を音自身として解放する」「結果をあるがままに受け入れる」という、東洋思想の影響があると言われています。

 音楽へのアンチテーゼのような4分33秒とは違い、サミル・メズラヒィ氏が8月7日にリリースした「A a a a a Very Good Song」は、もっと現実的な用途のための楽曲なのです(↓)。約10分間ずっと無音状態で最後に「曲を変える時間だよ」などと話し声が入っており、iPhoneやiPodの音楽をカーステレオで聴くときのちょっとした問題を解決しようとするものなのです。その問題点とは、iPhoneやiPodをカーステレオに接続すると、アルファベット順に最初の楽曲が勝手に再生されてしまう、つまり気分に合わない曲が最初に流れるという問題なのです。「A a a a a Very Good Song」は、Aの後にスペースを入れる組み合わせを5回繰り返し、必ずアルファベット順で先頭になることを狙っており、その無音時間の間に本当に聴きたい曲を選ぶ時間を提供するのです。


 その日本語版がこちら(↓)。日本語対応のためにひらがなの「あ」とカタカナの「ア」それにアルファベットの「A」を組み合わせたものになっています。


 今回のニュース記事で思い出したのは、例えば電話帳の先頭になることを狙って会社名をつけたりすることでした(最近はあまり電話帳というものを見なくなりましたが)。水漏れなどで焦った消費者が電話帳を開いたとき、それぞれの業者の料金やサービスの違いを検討する暇がないので先頭に載っている業者に連絡することが期待されます。同じ効果を狙ったものかどうかわかりませんが、消費者金融の会社にも「ア」から始まる会社が多いような気がします。「一番には価値がある」というのは、ビジネスにおける発想のひとつかも知れません。

2017年8月20日日曜日

「早熟の天才」ほど社会的・経済的に成功を収めやすいことが判明

45年にわたる5000人の天才の追跡調査で「早熟の天才」ほど社会的・経済的に成功を収めやすいことが判明 - GIGAZINE:

 今回は、この山ちゃんウェブログで何度か取り上げさせていただいた天才ネタ。これまで、天才と呼ばれる人は狂人と紙一重なので、基礎研究のような隔離された世界では大成功をおさめやすいものの俗人が溢れる一般社会で成功するのは難しいとか、天才といえども普通の人であることは同じなので挫折する天才も多いとか、そんなことがまことしやかに言われていたように思います。でもそういった話は身近な天才の行く末から見出したものか、あるいはやっかみ半分というケースもあるかもしれないと思います。今回ご紹介する元記事は、45年という長きにわたって5,000人という統計的に十分なサンプル数の天才たちのその後を追いかけた論文が元になっていますので、かなり科学的な分析がなされた結果だと言えるでしょう(天才なんてごく稀にしかお目にかかれないわけですから、何千人もの天才を並べて調査するなんて普通はできません)。そしてその科学的な分析の結果は、我々がこれまで考えて来た「努力と天才は両方尊いものだが、努力の方がより尊い」という先入観を覆すものだったのです。

 ジョンズ・ホプキンス大学のジュリアン・スタンレー教授は、1968年に非常に頭の良い12歳のジョセフ・ベイツ少年に出会ったことから天才に関する追跡調査研究「Study of Mathematically Precocious Youth(SMPY)」を始めました。その調査は、非常に若くして定量的な推論能力という数学的な能力に秀でる少年・少女を対象にして、早熟の天才たちが、どのように成長していくのかを追跡したものです。

 45年間の間に5,000人を超える早熟の天才たちのその後のキャリアを追跡した結果、「若い頃のSAT(アメリカの大学進学適性試験)や空間認識能力のスコアが高い人ほど将来、科学者、学者、フォーチュン500企業のCEO、連邦裁判官、上院議員、そして億万長者になりやすい」という傾向が確認されたのです。さらに18歳、23歳、33歳、48歳の時点でのフォローアップ調査によれば、特許取得数や論文執筆本数に、SATのスコアや空間認識能力の高さに相関関係があることも判明しています(↓)。

 この結果は、それまで通説だった「エキスパートとしての能力は主として訓練によって培われるため、誰でも正しく努力を重ねればトップレベルに到達できる」という考えを大きく覆すものです。これまでは「1万時間ルール」というものがあって、真摯な練習をコツコツと積み重ねることで、その道の一流のプロフェッショナルになれるという考え方が主流でした。ところがこのSMPYが導き出した結論は、いくら努力しても天才には敵わないという、非常に衝撃的なものです。研究結果に対し、世界的に見たときの教育の全体的な方向性は「学生の能力をどうやって効果的に向上させるか」という観点から、「いかにして才能のある年少の天才を発掘しサポートしていくか」という観点へと焦点が移りつつあるのです。実際、韓国・香港・シンガポールでは幼少期の天才を選抜して英才教育を施す教育政策をとっていたり、中国では10年に渡る国家英才プラン(National Talent Development Plan)により若き天才たちを科学技術分野などに優先的に進学させています。

 自分は、SMPYの研究結果は極めて危険な示唆を与えていると思います。確かに、天から授かった才能は努力ではどうしても超えられないということは、多かれ少なかれ人生経験の中で悟っている事実だと思います。しかし凡人である我々は、努力でそれに匹敵できる、あるいは天才をも超えられるという神話を「拠り所」にして日々努力を重ねているわけです。「いくら努力しても天から授かった才能には勝てない」とか「天才が努力すれば成果が出せるが、凡人の努力は無駄」のようなメッセージが科学的根拠と共に示されると、その神話が崩壊し凡人が努力する根拠が失われてしまいます。何より、教育が一部の才能ある若者にのみ注力して大多数の学生や成績の劣る学生を切り捨てる姿勢にもつながりかねません。これからの社会のためには、「天才を伸ばすこと」「凡人を切り捨てないこと」の両方が必要なんだと思います。

2017年8月19日土曜日

完全ワイヤレスイヤホン VAVA VA-BH001が便利

 今回はこの山ちゃんウェブログでは珍しい商品レビューです。ご紹介したいのは、最近ちょっと流行っている完全ワイヤレスイヤホンVAVA VA-BH001です(↓)。

実は自分はこれまではSOL REPUBLICのRelays Sport Wirelessという、ワイヤレスではあってもイヤホンどうしはケーブルで繋がったタイプを使っていました。実際のところこれでも利便性は十分で、ポケットに入れておいてサッと取り出して耳に装着するとすぐに音楽を聴くことができるのですが、音質はあまり自分の好みではありませんでした。もちろん本来はスポーツ用なので、Bluetoothのワイヤレスにしてはそれなりではあるのですが、あまり低音の厚みがなく、イヤーピースをコンプライのものに変更してみたりもしたのですが、密閉感から多少は好みの音に近づくもののシャリっとした印象はぬぐえませんでした。

 ワイヤレスの利便性はもはや失えない、だけれどワイヤレスイヤホンの音質はイマイチというジレンマの中、じゃあいっそのこと利便性に特化して完全ワイヤレスを試してみれば音質のマズさにも目をつむれるかも、と思って試したのがこのVA-BH001(↑)でした。完全ワイヤレスイヤホンといえば、「耳からうどん」と揶揄されるAppleのAirPods(↓)が有名なところです。しかし、自分はスマホはiPhoneを使っているものの、音楽はそれとは別にSONYのウォークマンFシリーズをいまだに使っているので、iPhoneとの相性は優先しないこと、そしてもともとiPhone純正のイヤホンの音質もそれほど好みではないこと、没頭感が欲しいのでカナル型が好みなこと、完全ワイヤレスを「お試し」できるコストパフォーマンスを優先したいこと、などを考えて今回はVA-BH001にしてみました。

 完全ワイヤレスイヤホンは価格帯が1万5千円以上のものが多い(しかも音質は優先の3千円程度のレベル)中で、このVA-BH001(↓)は8599円と抜群の安さに加えて、音質もそれほど悪くない...いやむしろ自分の耳には好みの音質なのです。もちろん同価格帯の有線イヤホンと比べたり、音質オタクの人には不満が出るでしょう。しかし少なくとも、電車通勤という雑音ありきの環境で使う前提、ハイレゾとCDの音源の区別も怪しい自分の耳には十分な音質に思えます。低音域に厚みがあって丸みのある音質、それでいてこもった印象ではありません。中高音域も埋もれずに鳴らしてくれますが、シャリシャリ感はありません。自分はAmazonで購入したのですが、Amazonで売られているのはSBCコーデックにしか対応しておらず、より高音質を求める方はeイヤホンで同機種を買うと同じモデルでありながらAACコーデックにも対応しています(1,000円ほど価格が上がりますが...)。自分の場合は、そもそも使用しているプレイヤーがAAC未対応なのでAmazonの方で買い求めましたが、プレイヤーがAAC対応の方はeイヤホンで購入されるとより高音質を手に入れられるでしょう。

 このイヤホンは右側がメイン機というか、Bluetoothの接続方法が
   音楽プレイヤー→右側イヤホン→左側イヤホン
と繋がっているようなので、片側だけを使用する場合は右側を使わなければなりません。頭を振ったりすると一時的に左側が聞こえなくなるというレビューをよく目にしますが、左右のBluetooth接続が切れるとそうなってしまいます。最初自分も左右の接続が頻繁に切れるのでこれは使い物にならないと思ったのですが、どうやら耳への装着の角度が問題のようでした。人の耳の形は上の方が後ろ側へ(下側が前の方へ)傾いているにも関わらず、地面にまっすぐの角度で(耳に対しては前傾で)イヤホンを装着してしまっていたのです。そうではなく、耳の傾きに合わせてイヤホンも上側を少し後ろへ傾けて装着すると、急にBluetooth接続が安定するようになりました。あとは電波の関係なのでしょう、特定の場所でプレイヤーと右側イヤホンが切れてしまうこともありますが、装着法さえきちんとしていればBluetoothの途切れは気にならないレベルでした。

 完全ワイヤレスイヤホンは耳から外れるとそのまま失くしてしまいそうですが、幸いにもデフォルトのサイズのイヤーピースでも密閉感があり、これまで耳につけていて落としたことはありません。ただしポケットから取り出すときに落としたことがあって、たまたま満員電車でなかったので事なきを得ましたが、高級機のように専用ケースがあるわけではないので、持ち運びと充電には多少の不便さがあります。

 そう1ヶ月ほど使った自分の実感からすると、VAVA-BH001の最大の弱点はバッテリーなのです。駆動時間は公称2時間とはなっているのですが、実際に使ってみると1時間半程度しか持たず、自分の場合は通勤の片道分しか電池が持たないのです。専用ケースが付属する高級機の場合は、ケースそのものが電池になっていてイヤホンをケースに入れることで充電されるので、片道分だけ持てば十分(ケース自体の充電は別途必要)なのですが、このVAVA-BH001は別途モバイルバッテリーを持つか会社で充電する手段を確保する必要があるのです。自分の場合は、MacBookやiPhoneのバッテリーバックアップ用に大容量モバイルバッテリー(RAVPowerの26800mAh)を持ってるので、会社での昼休みにそこから充電しています。

 今回ご紹介するVA-BH001は万人ウケする機種ではありません。あまりお金をかけずに完全ワイヤレスを試してみたいという人、ワイヤレスでも音質も妥協したくない人、そしてシャリシャリ系よりもやや低音寄りが好みの人、バッテリーの持ちが1時間半程度で事足りる人、というかなり人を選ぶ機種です。しかし、自分のようにこの条件に合っている人には非常に便利に使うことができますので、コストパフォーマンスも高くてオススメです。

2017年8月16日水曜日

泣いても良い!親が弱さを見せるほど子どもは強く育つ

泣いても良い!親が弱さを見せるほど子供は強く育つ [子育て] All About:

 今回は、子供を育てる親として、「泣く」ということに対する接し方についての田宮由美氏の記事をご紹介したいと思います。自分も小学2年生の長男と保育園の年少さんの長女を育てる父親なのですが、「泣く」ということをマイナス方向に捉えてしまい、子どもが泣いていると「頑張って泣き止もうね」と声をかけてしまうことがあります。田宮氏の記事を読ませていただいて、これまでの接し方は間違っていたかもしれないと思うようになりました。

 そもそも「泣く」という行為は、心の健康を保つ上で重要な役割を果たします。本当は悲しくて泣きたいのに笑ってみせたり、怖くて泣きたいのに平気なそぶりをしてみたり、泣きたい心を抑え込むとストレスを溜め込んでしまいます。そういうストレスを放っておくと、心の病や他者への暴言や暴力、いじめやいやがらせ、さらには自傷行為に及ぶことさえあるのです。心に沸き起こるネガティブな感情を押さえ込まずに上手に発散させるには、上手に「泣く」ことを覚える必要があるのです。子どもに「上手に泣く」ことを教えるためにも、親としても全く涙を見せないよりもたまには泣くことでストレス発散させている姿を見せることが必要かもしれません。

 考えてみれば、生まれてくる赤ちゃんは泣き声とともにこの世に生まれてきますし、お腹が空いたりオムツが濡れたり眠かったり、自分の意思を伝えるためにも「泣く」という手段を取ります。もう少し大きくなって、例えばお友達と遊んでいておもちゃを貸してもらえなかったとき、お母さんの所に走り寄って思いっきり泣いたかと思うと、ケロッとして他のおもちゃで遊び始めるなんてことがあります。つまり、もともと子どもは「上手に泣く」技術に長けているのです。泣くことで、ストレスを上手に発散させているのです。田宮氏の記事では、親としては子どもが持つ「上手に泣く」というせっかくの技術を妨げないように接してあげることが必要だと主張されています。これは自分にとってもあまり考えなかった発想で、言われてみればその通りだと目からウロコの気分です。

 「泣く」という行為に対して、親としてどう関わるかということに関して、田宮氏は2つの指針を示されています。1つ目は、泣いている子どもの気持ちを受け入れようということです。それは、大声で泣いても大丈夫、泣いているあなたも大好きだよと抱きしめてあげることです。そうすることで、子どもはありのままの自分を受け入れてもらえると感じ、心の安定を増していけるでしょう。2つ目は、親も時々は弱い所や短所を見せようということです。それは、いつも完璧な親でいるより、悲しいときや悔しいときは泣いている姿を見せることによって、あなたも泣いていいんだよというメッセージを送ってあげることです。

 ネガティブな気持ちを上手く発散できる子どもは、他者の気持ちにも寄り添ったり、優しさを持つことができるようになります。親が泣いている姿を見て、自分が守ってあげなきゃと感じて背中にそっと手を置いてくれる...そんなところから、子どもの優しさが育まれていくのかもしれません。

 「泣く」ことを一方的にマイナスに捉えるのではなく、上手に付き合うことによって、ストレス発散し心の安定を得ることができ、そして子どもの優しさを育むことにもつながるのです。一方で親の側としても、肩肘張らずに泣きたい時は泣いていいんだということは、救われる思いがしますよね。

2017年8月14日月曜日

衝撃!発見された100年前の日本の写真が美しすぎる

【衝撃】発見された100年前の日本の写真が美しすぎる|@Heaaart - アットハート:

 お盆休みでご先祖に想いを馳せることも多いこの時期ですが、そういう時に想うのは、ずっと昔の顔も知らないご先祖より、亡くなった祖父母や曽祖父母のような顔がわかる方々の方が多い気がします。そんな祖父母や曽祖父母が生きた時代、100年前の日本があまりにも美しかったということを今回はご紹介したいと思います。

 これらの写真がネット上で話題になったのは今年の初め頃だったと思います。明治時代の写真家、玉村康三郎氏がアメリカの出版社の依頼で撮影された作品が見つかったというので、その美しい写真に賞賛の声であふれました。お盆というこの時期に見直してみると、なんだか気が引き締まるような、美しい日本を守らないといけないような厳粛な気持ちになる気がします。

 最初は日本の美しい風景。古き日本の原風景とった趣で、写真というよりも絵じゃないかと思うくらい美しいですね。



 お次はこの時代の女性たち。ヤマトナデシコと呼んでもいいかもしれません。着物だと体の動きが制限されるからか、現代女性に比べて立ち居振る舞いが優雅に見えるような気がします。



 次は、順番に京都・鴨川、嵐山。そして、大阪・道頓堀に東京・銀座新橋。現代の景色を知っているだけに、この時代はこうあったんだろうなと思われる通りの景色です。





 さらにこの時代の普通の方々の生活ぶりが次の写真。神戸の大晦日・大掃除の風景とお正月の餅つきやおせち料理の風景です。お正月という晴れの舞台の写真ですので、普段の生活ぶりよりは少し煌びやかかもしれません。







 これは箱根の風景。この時代はまだ、こんな街道を歩いて移動したことも多かったんでしょうね


 最後は再び、この時代のヤマトナデシコと子供たちの様子もわかる写真です。掃除する格好もなんだか凛々しく、3人の女性の「見ざる・言わざる・聞かざる」なんて、このポーズで写ろうとする洒落っ気もヤマトナデシコの心意気と思えてきます。







 いかがでしたか。実は自分も昨日お墓参りに行ってきたのですが、想いを馳せるのは数年前に亡くなった祖父の姿でした。祖父は大正の時代なので、この写真より少し下った時代なのですが、こんな風景の中に少年時代の祖父がいたのかなあと思うと、なんだか自分のルーツを見るようで気が引き締まりますね。もちろんその後の日本は、先人たちの努力の結果豊かな生活を手に入れましたが、たまにこういった古き良き日本を思い出してみるのもいいかもしれませんね。

2017年8月12日土曜日

なぜ人はキスのとき「右」に頭を傾けるのか? 世界中で同様の結果が判明!

なぜ人はキスのとき「右」に頭を傾けるのか? 世界中で同様の結果が判明!|健康・医療情報でQOLを高める~ヘルスプレス/HEALTH PRESS:

 今回の話題はちょっと色っぽい話かと思いきや意外に真面目な話で、ほとんどの人はキスの時に顔を右側に傾けるという話題です。元記事はヘルスプレス編集部によるものです。実のところ、この「約8割がキス右傾斜派」というのは比較的有名な事実のようで、アイルランドの先行研究でも「8割が右傾」、オランダの大学研究においても「被験者57人中41人(約72%)が右傾斜」という報告がすでになされています。それが今回は一体何が新しいのでしょうか。


 今回の研究結果は、英国やバングラデシュの研究陣によって「Scientific Reports」に寄稿されました。調査方法は、バングラディシュの夫婦48組に自宅でキスをしてもらい、その直後に夫と妻の双方から各設問に答えてもらうという方法です。バングラディシュという国は、昭和時代の日本のように、キスは極めてプライベートな行為で人前で行なうようなものではないと捉えるお国柄で、テレビや映画作品でキスシーンが規制対象となっている程なのです。

 つまり、これまでの報告はアイルランドやオランダなど西欧諸国の調査対象(標本)なので、キス右傾斜という傾向は「西欧文化の要因」が影響している可能性も残していました。全ての人類に共通的なバイアスというわけでなく、西欧人特有のバイアスではないかというわけです。それが、今回のバングラデシュでの実験により、その可能性が否定され、人類共通のバイアスである可能性が高いと一歩前進したわけです。

 そのバイアス要因について、これまでは「胎児期の成長に伴う『頭の重み』から傾け方が決まる」とする説、「授乳期の左右の好みや母親側の選択肢が後天的に影響している」とする説などが出されていました。

 それが、今回さらに面白い結果が得られたのですが、「利き手が右か左か」の違いもキスの時にどちらに頭を傾けるかに影響する因子であると分かったのです。実は右利きの子どもはまだ子宮内にいるうちから、右側に向く頻度が高いことが分かっているので、それが成人後も続いていてキスの時に頭を右に傾けることにつながっているいう仮説が立てられそうです。世界の人口における左利きの人の割合は8%〜15%と言われていますので、キスの時の右傾斜80%というのと若干の数値の違いがありますが、それなりに納得性のある仮説のような気もしませんか。

2017年8月10日木曜日

あのパスワード規則、実は失敗作だった

あのパスワード規則、実は失敗作だった - WSJ:

 今回はいまだにアカウントを守る手段として主流のパスワードについて、Robert McMillan氏の記事を元に、あの謎のガイドラインが実は失敗作だったという話題です。その謎のガイドラインとは「パスワードに大文字・小文字・数字そして特殊記号を盛り込み、かつ定期的に変更すること」というものす。この山ちゃんウェブログでも以前この謎のガイドラインに従うべきではないという記事を書いたことがありましたが、今回はその時の記事を裏付けるような証言をご紹介しようと思います。

 実はこの謎のガイドラインは、もともと2003年米国の国立標準技術研究所(NIST)に所属していたビル・バー氏が執筆した「NISTスペシャルパブリケーション800-63 別表A」という8ページの文書で示されたものだったのだそうです。それまでパスワードに関しては特段の制約がなかったので、多くの人が「password」とか「qwerty(キーボードのキーを順番に押しただけ)」といった簡単に破られる文字列を使用していましたが、連邦政府機関や大学や大手企業がこのガイドを頼るようになり、やがてそれは日本企業へも波及し、現在に至っています。

 しかしこのガイドラインの執筆者であるビル・バー氏は、このガイドは結果的にほとんど間違っていたと話しています。例えば90日ごとにパスワードを変更しなければならないとなると、推測されやすい小幅な変更にとどめる人が大半だったのです。定期的に行なう変更が「Pa55word!1」を「Pa55word!2」に変更するようなものなら、全くハッカーを防ぐ手段になり得ません。大文字・小文字や数字に感嘆符や疑問符などの特殊文字を組み合わせるという、指が絡まりそうなアドバイスも全く的外れでした。バー氏は「今では自分がしたことの多くを悔やんでいる」と話しています。

 ではイマドキのパスワードはどうやって作るのがいいのでしょうか。以前の記事で「パスワードではなくパスフレーズを使う」ことを推奨しましたが、まさに次のガイドラインはコレを推奨するものになっているのです。先のガイドライン「800-63」が今年6月に全面的に改定され、特殊文字の使用や定期的な変更は推奨されず、その分「『長い』文字列=フレーズ」が推奨されるようになったのです。例えばMcMillan氏の元記事によれば、「correct horse battery staple」を繋げたパスフレーズをハッカーが破るには550年もかかるのに対し、従来のガイドラインに従った「Tr0ub4dor&3」というパスワードを破るには3日しかかからないのだそうです。

 実は自分の会社も社内システムのアカウントはこのNISTの古いガイドラインが適用されていて、大文字・小文字・数字・記号が1つ以上含まれないパスワードを設定することができなくなっています。さらに3ヶ月ごとに変更させられますので、自分も「Pa55word!1」を「Pa55word!2」に変更するのと同じ程度のレベルのパスワード管理しかできていないのが実態です。早くこの新しいガイドラインが適用され、使い勝手の悪いパスワードから解放される日が来るといいなと思います。

 ただ、じゃあこの新しいガイドラインが完璧かといえば、そうでもないかもしれません。色々悪く言われるビル・バー氏のガイドラインは曲がりなりにも15年も "持った" のですが、新しいガイドがそれ以上 "持つ" かどうかは分かりません。確かにそれまでの8文字程度のパスワードより、64文字とかそれ以上に長い文字列を使うパスフレーズは、コンピューターが見つけ出すのに時間がかかる可能性が高いと思います。しかし従来のガイドラインで「Pa$$w0rd」や「Monkey1!」のようなパスワードが大量に作られたように、新しいガイドラインでは有名な小説のフレーズとか有名な曲の歌詞などのパスフレーズが大量に作られる可能性があると思います。そうすればむしろ、その人の好きな小説・好きな歌手などの情報からパスフレーズの推測が容易になってしまうかもしれません。もしかしたら、人類が求めるパスワード・パスフレーズの究極探しはこれで終わりというのがないのかもしれません。

 指紋や虹彩・静脈などの生体認証も使用はされていますが、もしバレてしまうと、オリジナルの変更はパスワード・パスフレーズを変更するほどの簡単さではできません。そりゃそうですよね、指紋がバレてしまったので指を取り替える(!)、虹彩がバレてしまったので目を取り替える(!)という訳には行かないですよね。それにどうしても破る必要があるとハッカーに認定されてしまうと、指が切り取られたり目玉をくり抜かれたりといった危険性も心配しなければならなくなります。そう考えると、生体認証はICカードなどと併用する現在のような使用しかできず、パスワード・パスフレーズによる認証がまだまだ主流の座を譲りそうにはありません。この新しいガイドライン、どれくらいセキュリティに寄与してくれるか見ものですね。

2017年8月8日火曜日

"サングラス"を禁止する甲子園の時代錯誤

"サングラス"を禁止する甲子園の時代錯誤 | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online:

 今月5日、新潟県加茂市の加茂暁星高校で野球部の練習直後に倒れ、意識不明になっていた女子マネジャーが亡くなるという痛ましい事件がありました。女子マネジャーは、球場を行き来する際は普段は用具を積み込むマイクロバスに乗っていましたが、この日は怪我した部員がバスに乗ったこともあって、監督が「マネジャーはマイペースで走って帰るように」と指示していたのだそうです。結局、男子部員と一緒に走って学校に戻った直後に玄関前で倒れたのですが、駆けつけた監督は「呼吸は弱いけれどある」として、救急車が来るまでの間、AED(自動体外式除細動器)を使用しなかったと言います。

 薄暗くなった山道を学校まで帰らせるなんて、身の危険を感じた女子マネジャーが男子部員に遅れて一人っきりならないよう無理して走る可能性が高いでしょう。玄関で倒れた直後もなぜかAEDを使用しなかったり、こういう結果になってしまうと、監督の責任が取り沙汰されることになります。ただ自分の感覚としては、波紋が思ったほど広がっていないようで、監督が吊るし上げにあってしまいやがて責任を感じた監督が...なんて事態を危惧していたので、むしろ少しホッとしている気もします。

 自分は、この事件を監督の個人攻撃ではなく、体育の授業やクラブ活動全般における健康面の配慮・指導全般を見直すきっかけになればいいなと思います(もちろんご遺族の無念は想像を絶するものがあります)。自分の長男は小学2年生ですが、例えば運動会の時や習い事としてドッジボールを習っている時も、先生やコーチはこまめに水分補給させる指導を徹底して下さっているように感じました。自分が学生の頃といえば、部活動で水を飲ませてもらえなかったりした時代だったので、それだけでも隔世の感がしたものです。根性論が幅を利かせた時代は去り、水分はこまめに補給をさせ疲労を感じたらこまめに休息を取らせ、怪我の可能性が高い組体操はやらせない...昔に比べれば子供の健康面への配慮が随分行われるようにはなってきているのです。それでもまだまだ欧米諸国などと比べると不足なんだということを、部活動でのサングラスの使用という観点から書かれた牧野洋氏の記事で読んだので、ここでご紹介したいと思います。

 牧野氏の記事によれば、世界保健機構(WHO)は「子どもは紫外線による健康被害を受けやすい」として、帽子や日焼け止め・サングラスの使用を呼びかけており、特に学校に対しても、子どもを紫外線から守るうえで重要な役割を担うとしています。例えば、牧野氏が住んでおられたカリフォルニアでは、屋外でスポーツするときには「帽子・日焼け止め・サングラスの3点セット」は常識で、紫外線から子どもを守る意識が高いそうです。しかし、日本の「部活動」の現状を見てみますと、先に述べたように水分補給については随分と配慮がされるようになりましたが、日焼けについてはまだまだな感じがあり、昔から、子供は肌が白いよりも日焼けしている方が健康的でいいとする風潮があったように思います。

 牧野氏の記事では、実際に部活の中でサングラスの使用を求めたケースとして、長野県内の公立中学校へ娘を通わせている伊藤一彦氏のケースを紹介されています。サングラスの使用許可を得ようという伊藤氏の申し出に対して、学校側は医師の診断書を要求したり執拗に渋り、最終的には県の教育委員会に直訴してようやく許可を得られたのだそうです。その原因については、「ブラック部活動(東洋館出版社)」などの著書で知られる名古屋大学大学院の内田良准教授によれば「おしゃれ禁止」という思考停止ではないかというのです。牧野氏は、子どもの健康よりも「おしゃれ禁止」のほうが大事なのだろうか、と断罪されていますが、自分はそういうことではないと思うのです。つまり実際の教育現場では、日焼け止めやサングラスは子供を紫外線から守るものという認識ができていないケースが多く、それらは単なる化粧品やファッションだという認識の元で、教育現場に「おしゃれ」は禁止だという意識を持っているのではないかというのです。将来的な健康被害まで考えた時の紫外線の恐ろしさについて、理解が浅いんだと思うのです。

 そして元記事では、紫外線が降り注ぐ炎天下で開催される「夏の甲子園」の話題へ言及します。夏の甲子園については、大人たちは「青春」「汗と涙」「すがすがしい」などという勝手に作り上げたイメージで、丸刈りやサングラス禁止といった根性論を押し付けがちです。しかし実は、日本高等学校野球連盟「高校野球用具の使用制限」の項において、サングラスの使用そのものについては以下のように書かれていることを皆さんご存知でしょうか。

サングラスを使用する可能性のある時は、試合前(メンバー交換時)に主催者・審判員に申し出て許可を得たものの使用を認めることとする。メガネ枠は黒、紺またはグレーなどとし、メーカー名はメガネ枠の本来の幅以内とする。グラスの眉間部分へのメーカー名もメガネ枠の本来の幅以内とする。また、著しく反射するサングラスの使用は認めない。

 つまり、サングラスの使用を推奨まではしてないものの、決して禁止されているわけではないのです。競技としてもサングラスをすることでフライ落球のエラーを減らせますし、何よりも紫外線が目に与える悪影響を考えれば、自分はサングラスを推奨してもいいんじゃないかと思います。サングラスを推奨するなら髪型やユニホームなどその他の制約もなし崩し的に解禁せざるを得ないという意見もあるかもしれませんが、それならいっそのこと解禁してもいいんじゃないでしょうか。「おしゃれ」目的だったっていいじゃないですか、健康を守れるんだったら。

2017年8月7日月曜日

初めてポルノを見るタイミングで男性は「プレイボーイ」にも「女性嫌い」にもなるという研究結果

初めてポルノを見るタイミングで男性は「プレイボーイ」にも「女性嫌い」にもなるという研究結果 - GIGAZINE:

 今回は「男性が初めてポルノを見た時期と女性に対して性差別的な態度をとるかどうかの関係」という、なんとも面白い研究結果に関する記事をご紹介したいと思います。その研究結果によれば、初めてポルノを見たのが幼い時期だったという男性は女性嫌いで女性を支配しようとする傾向が強く、逆にある程度年齢が行ってから初めてポルノに出会った男性の場合は性的に乱れたプレイボーイになりがちな傾向にあるというのです。

 この面白い研究結果を発表したのは、ネブラスカ大学リンカーン校の研究者です。元記事はその調査を行なった学生のアリサ・ビシュマン氏と共同研究者でもあるクリシー・リチャードソン氏による話として進められているので、どこまで裏の取られた結論で公に発表された情報なのか分からないのですが、少なくともビシュマン氏によれば、そもそもこの調査の目的は、ポルノに初めて触れる年齢が男性の持つ2つの規範(「性的に乱れた行動をとりがちであるか」と「女性の支配を望むか」)にどのような影響を及ぼすのかを調査することだったそうです。調査は、17歳から54歳までの330人の学部生を対象に、「初めてポルノを見た時期」はいつか、それは意図的なものだったのか偶然だったのかなどを尋ね、さらに、先の2つの男性的規範を測定するためのアンケートにも回答してもらい、それらの相関を取ったようです。

 この調査の結果、初めてポルノに触れた年齢の平均は13.37歳。初めてポルノに触れたのが最も幼い被験者は5歳と回答しており、逆に最も遅い人は26歳と回答したそうです。それが偶発的だったという人は43.5%、自発的という人は33.4%だったそうです。そして、「性的に乱れた行動をとりがちであるか」と「女性の支配を望むか」という2つの規範と相関を取った結果、「初めてポルノを見る時期が若いほど、女性を支配しようとする傾向がある」、逆に「初めてポルノを見るのが遅くなった男性は、プレイボーイのような行動をとりたいと考える傾向が強い」とのことです。

 この結果に対するリチャードソン氏の話として、初めてポルノを見るのが遅い男性がプレイボーイになりがちというのは、それまでの固定観念を覆すものだと述べられていますが、むしろ自分は直感的には納得性が高いように思います。仮に、幼稚園とか小学低学年の頃にポルノに出会ってしまっていたとしたら、おそらく女性を汚らわしいものとか醜いものというようなマイナスイメージを持ってしまいがちな気がします。逆に、成人してから初めてポルノに出会ったと想像した時、こんな素晴らしい対象をこれまで自分は知らなかったのかとプラスイメージを持ち、これからはもっと楽しまなきゃと考えそうな気がしませんか。

 日本は世界的にもポルノ文化・エロ産業が盛んな国と言われていますので、初めてポルノに出会う年齢もどんどん低年齢化しているものと想像されます。この元記事の結論と現在の日本の状況を考え合わせれば、日本ではプレイボーイと言われる男性がどんどん減少する一方、女性嫌いで女性を支配しようとする男性が増えているのではないかという仮説が成り立ちます。「女性嫌い」のまま成長した男性は、欲望の向き先がリアルの女性よりもバーチャルな方面へ行ってしまい、少子化へと繋がる可能性もあるかもしれません。また、女性嫌いが高じて逆に「女性を支配する」欲が強くなりすぎる男性が増えると、性犯罪の増加に繋がる可能性もあるかもしれません。そう考えるとポルノやエロが溢れる日本ではありますが、幼い子供の目にそういったものが入らないよう親がしっかり気を付ける必要があると思うのです。

話がつまらない人はなぜ、つまらないか?

話がつまらない人はなぜ、つまらないか? | プレジデントオンライン | PRESIDENT Online:

 今回の話題は、ビジネスにおけるいわゆるコミュニケーション能力に関するもので、U.B.U.speech consulting代表でスピーチ トレーナーという肩書を持つ西任暁子氏の記事を元に考えてみようと思います。

 記事の元になっているのがこのアンケートで、いわゆる会話・コミュニケーションに関する意識調査の結果です。まず問1・2によれば、自分は「話し下手」だと自覚している人は65%である一方で「自分は仕事ができる」と思っている人は6割です。これをもって、「話し下手だが仕事はできる『職人気質』が日本人ビジネスマンの特徴だと言われていますが、正直言ってそういうステレオタイプにしてしまうのは根拠がやや薄い気がしてしまいます。話し下手だ自覚する人の65%(しかも「どちらかといえば話し下手」という程度の人も含めて)という数字が西任氏の思いのほか少なかったのでしょう。実際に西任氏は、「『公の場で』話をする自信があるか」という、根拠とするアンケート担い質問を持ち出して、この質問ならもっと数値が低いはずだと言い換えてから「職人気質」だという結論に結びつけています。

 具体論においては、「『何が言いたいかわからない』と言われたことがある」(問12)は4割、「会話中の沈黙が怖い」(問3)は47.5%で、これらを持って「話し下手」の裏付けとされています。自分としては、半数以上のNOを差し置いて、過半数に満たない4〜5割のYESをもって集団を代表する意見だとするのは相当に無理があるような気がします。「発言中、つい『えーとですね』など必要のない言葉をはさんでしまう」(問18)もYESはわずか35%ですが、それは自覚がないということだと言ってむしろ自覚のある35%の方が望みがあるとまで言われています。

 元記事は、西任氏はスピーチトレーナーという肩書で話し方のコツを教えるという立場と自らの経験に照らし合わせて、自分なりの結論を持ってしまっているので、アンケートの数字からは言えないことまで無理やり結論づけているような印象を受けます。そして、いわゆるビジネスの場でのコミュニケーションを考えれば、当たり障りのない世間話をする能力が高いことが必ずしも望まれる能力ではないケースもあると思います。もちろん、営業職など明るく人と話せる気質が望まれる職種もあるでしょうが、自分のような技術系の職種だと、やはりその人のバックグラウンドがしっかりしているかどうかがキモになります。流暢に日常会話や世間話ができビジネスの場でも明るく話せる人であっても、ビジネス上の本質的な話ができなければ何もなりません。

 例えば西任氏の言われる「『公の場で』話をする自信があるか」という質問があれば、おそらくYESと答える人は相当に少ないでしょう。コミュニケーション全般がそういう側面はありますが、「公の場で」話すことなどまさに経験がものを言う世界です。実は自分は仕様標準化や技術調査などの仕事もしているため、企業に入ってからも学会発表やセミナーで講演する機会に恵まれています。20代の頃は人前で話すのは苦手で、あらかじめ原稿を作っておいて、それをできるだけ丸暗記するようにしていました。パワーポイントのスライドには話す内容を逐一書いておき、言うことを忘れそうになったらスライドを見て話す内容を思い出すという工夫もしていました。それが40代になって人前で話すことに慣れてくると、キーワードや図だけのスライドで自由自在に話せるようになりました。同じ15枚のスライドで、15分の学会発表も50分のセミナー講演も両方をこなしたことすらあります。つまり「慣れ」なのです。現在社会で活躍している世代は、子供時代に詰め込み教育が中心の世代なので、意識的に人前で発表する経験を積まないと「慣れ」の蓄積ができないのだと思います。

2017年8月5日土曜日

[Java・Tomcat] JavaScriptやCSSファイルのキャッシュをコントロールする(2)

 今回は前回の続きで、JavaScriptファイル(JSファイル)やCSSファイルのキャッシュをコントロールするフィルターの話題です。やりたいことは、普段はJSファイルやCSSファイルはブラウザにキャッシュさせて性能を稼ぎ、アプリのバージョンアップがあった時は新しいファイルをWebサーバーから読み込み直させようということです(バージョンアップ時に読み込み直さないと、画面が古いままになったりJavaScript関数の齟齬があってエラーになったりするからです)。

 前回Tomcatのフィルターを使用した実装をご紹介しましたが、この時作成したフィルターCacheControlFilterを実際にサーバー処理の直前に挿入して見ましょう(↓前回と同じ図です)。
そのためにはTomcatの定義ファイルweb.xml上で、CacheControlFilterを挿入する定義を追加してやる必要があります(↓)。

<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<web-app xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance" .....>
 .....
 <filter>
  <description>cacheControlFilter</description>
  <display-name>cacheControlFilter</display-name>
  <filter-name>cacheControlFilter</filter-name>
  <filter-class>yamachan.CacheControlFilter</filter-class>
 </filter>
 <filter-mapping>
  <filter-name>cacheControlFilter</filter-name>
  <url-pattern>/jsp/*</url-pattern> <!-- (1) -->
  <dispatcher>REQUEST</dispatcher>
 </filter-mapping>
 .....
</web-app>

 ポイントは(1)の部分です。ここにこのフィルターを通過させるための条件をURLパターンを使用して定義するのです。ここでは "/jsp/*" と定義していますので
   http://XXXXXX/Yamachan/jsp/YYYY.jsp
のようにアプリケーションYamachan以下のjsp以下のURLには全て適用されるというわけです(*はワイルドカードなので、この部分は何でもヒットします)。この部分を "*" と定義すれば、アプリケーションYamachan以下の全てのURLが対象になりますが、実はそれではマズイ点があるのです。マズイ点を説明するには、このフィルターの実装をもう一度思い出す必要があります(↓多くの部分を省略していますが、前回の記事を参照ください)。

package yamachan;
.....
public class CacheControlFilter implements Filter {
 // Filterのオーバーライド
 @Override
 public void doFilter(ServletRequest arg0, ServletResponse arg1
   , FilterChain arg2) throws IOException, ServletException {
  CharResponseWrapper wrapper 
    = new CharResponseWrapper((HttpServletResponse) arg1); // (1)
  // 次のフィルターに委譲(arg1ではなくwrapperを渡すのがミソ)
  arg2.doFilter(arg0, wrapper); // (2)
  // レスポンスを加工処理
  String requestUrl = ((HttpServletRequest)arg0).getRequestURI()
    .toLowerCase(Locale.ENGLISH);
  PrintWriter writer = arg1.getWriter(); // (5)
  String fromString = wrapper.toString(); // (3)
  String revision = revision();
  String toString = fromString
     .replaceAll("\\.js\"", ".js?_rev=" + revision() + "\"")
     .replaceAll("\\.css\"", ".css?_rev=" + revision() + "\"");
  toWriter.append(toString); // (4)
  toWriter.close();
 }
 .....
}

 そのマズイ点は、プログラムの(5)の部分なのです。ここでレスポンスarg1のgetWriter()を呼び出していますが、これは応答が文字列(テキスト)の場合しか使用できないメソッドなのです。WebサイトはJSPやJS・CSSのようなテキスト形式のものだけでなく、JPGやPNGなどの画像やWAV・MP3などの音声などバイナリー形式のファイルも多数使用します。このフィルターがそんなバイナリ形式のデータに対する要求の時に適用されると、(5)の処理が例外IllegalStateExceptionをスローしてしまうのです。そのため、このフィルターはテキスト形式のデータだけにしか適用することができないのです。もともとこのフィルターはJSPファイル内の

   <script type="text/javascript" src="../js/yamachan.js"></script>

のようなJS(CSSも同様)ファイルを参照するところを、アプリのレビジョン番号をパラメータとして付加した

   <script type="text/javascript" src="../js/yamachan.js?_rev=1"></script>

のように書き換える処理をするためのものでしたので、JSPファイル(またはServlet)以外に適用する必要はないのです。そこで先のweb.xml上の定義のように、URLパターンを "/jsp/*" と制限して(/jsp/以下にはJSPファイルしか置かない、JSPファイルは全てここに置くという前提)JSPだけに適用されるようにしているのです(もちろんServletもあっても構いません)。

 最後に、このフィルターにちょっとおまけを付けて見ましょう。今回のお題は、JSファイルやCSSファイルを通常時はブラウザにキャッシュさせ、アプリのバージョンアップがあった時はWebサーバーから読み込み直させることでしたが、JSPファイルそのもののキャッシュはどうでしょうか。何もしなければ、ブラウザはJSPファイルもキャッシュしてしまうのです。じゃあJSPもJS・CSSと同じように制御しようと思うかもしれませんが、ここでちょっと思い出してください。そもそもJSPは「動的な」ページを作るための仕組みです。「動的」ということは、ブラウザから要求されるたびに異なる結果を返すものなので、「ブラウザには、常にキャッシュさせない」ことが正解です。ちょうどcacheControlFilterをJSP全般に適用するよう定義したので、このフィルターにちょっとおまけの処理をつけてJSPファイルそのものはキャッシュさせないようにしてみましょう。

package yamachan;
.....
public class CacheControlFilter implements Filter {
 // Filterのオーバーライド
 @Override
 public void doFilter(ServletRequest arg0, ServletResponse arg1
   , FilterChain arg2) throws IOException, ServletException {
  CharResponseWrapper wrapper 
    = new CharResponseWrapper((HttpServletResponse) arg1); // (1)
  // JSPをキャッシュさせないための最終更新日時と有効期間をDateHeaderに挿入
  wrapper.setDateHeader("Last-Modified", 0); // (6)
  wrapper.setDateHeader("Expires", 0); // (6)

  // 次のフィルターに委譲(arg1ではなくwrapperを渡すのがミソ)
  arg2.doFilter(arg0, wrapper); // (2)
  // レスポンスを加工処理
  String requestUrl = ((HttpServletRequest)arg0).getRequestURI()
    .toLowerCase(Locale.ENGLISH);
  PrintWriter writer = arg1.getWriter(); // (5)
  String fromString = wrapper.toString(); // (3)
  String revision = revision();
  String toString = fromString
     .replaceAll("\\.js\"", ".js?_rev=" + revision() + "\"")
     .replaceAll("\\.css\"", ".css?_rev=" + revision() + "\"");
  toWriter.append(toString); // (4)
  toWriter.close();
 }
 .....
}

 そのおまけ処理が、上記の(6)の部分です。ここでHTTPレスポンスのDateヘッダーとしてLast-ModifiedとExpiresを共に0を挿入します。そうすることで、このJSPファイルをキャッシュできる期限を大昔(エポック秒の0)に定義し、ブラウザのキャッシュ上で期限切れにさせるのです。こうするとブラウザは、要求しようとしたJSPと同じURLのファイルがキャッシュ上にあったとしても、そのキャッシュは期限切れを起こしているので、結果的に常にWebサーバーへ要求するというわけです。もちろん、このDateヘッダーは各JSPファイル上で定義しても構わないのですが、数多くのJSPファイルで同じ定義をするのは書き忘れによるバグを産みやすいので、このフィルター上で一元的に定義するのがオススメです。

 前回・今回とも長い記事になってしまいましたが、サーバーサイドJavaでよく直面するキャッシュの問題を取り上げてみました。こういうノウハウの詰まった再利用可能なクラスや プログラム断片をたくさん持っていることが、プログラマーとしてのレベルをグンと上げる一因になるかもしれません。

2017年8月3日木曜日

[Java・Tomcat] JavaScriptやCSSファイルのキャッシュをコントロールする(1)

 今回はまた久しぶりにプログラムそのものに関する覚書きなのですが、シチュエーションを相当に限定した内容です。

 そのシチュエーションとは、まず環境としてJavaでサーバーサイドのプログラムを作る時、サーブレットコンテナにTomcatを使用するケースが多いと思います。さらに、静的ページならHTMLですが、せっかくサーバーサイドJavaを使って動的に作るページはJSP(Java Server Pages)を使うでしょう。ただ、ユーザーのボタンクリックで別ページにリクエストをSubmitしてページ全体をリロードするWebサイトは今どきは廃れつつあり(昔のStrutsなどで作っていた時はそういうWebサイトも多かったですね)、ユーザーの操作に合わせてページの一部だけ更新したり、あるいはSPA(Single Page Application)と言って、もともと1つのページだけしか提供せずにその一部を書き換え書き換えすることでアプリケーションを提供するケースもあると思います。そんな時に大活躍するのが、クライアント側で動くJavaScript(拡張子".js"を使うことが多いのでJSと略しましょう)です。また、画面表示のための文字の大きさや位置などは、HTML・JSPと別にCSS(Cascading Style Sheets)というファイル(拡張子 ".css" を使うことが多いでしょう)に分けるのが一般的です。

 こういったJSファイルやCSSファイルは、ブラウザ側でキャッシュされます(一度取得したJS・CSSファイルを保存しておいて、次に同じファイルが必要になった場合は保存しておいたファイルを使用する↓)。このキャッシュはとてもありがたい機能で、もしこの機能がなければ、JSファイルやCSSファイルが必要になるたびにWebサーバーから取得してくるので、画面表示が遅くなってしまいます。


 ただ、キャッシュ機能は実は諸刃の剣でして、ブラウザがキャッシュしていたとしてもWebサーバーから取り直してほしいというケースがあるのです。それは、そのWebサイトのバージョンアップや改修によって、JSファイルやCSSファイルを更新したい場合です。つまり、今回解こうという問題は、JSやCSSファイルが新しくなっていない時はブラウザがキャッシュしたファイルを使って高速化し、Webサーバー側でJSやCSSを更新した場合は取得し直してもらいたいという状況です。

 シチュエーションの説明だけで随分長くなってしまいましたが、こんな時に使えるTomcatの機能が「フィルター」という機能です。そのための前提として、ブラウザがキャッシュファイルを使用するのは、URLが全く同じ場合だけです。ブラウザがJSやCSSのファイルを識別できるのはURLだけなのでそれは当たり前なのですが、これはとても重要な事実です。つまりJS・CSSファイルをWebサーバーから取り直してもらいたければ、URLを変えてしまう、ファイル名を変更してしまえば簡単なのです。ところがこれも実際は大変です。HTMLやJSPの中からJSやCSSをファイル名(正しくはURL)で参照しているので、JSやCSSファイル名を変更するとその変更後の名前に変えなければならない箇所がたくさん出てきてしまい、変更漏れを起こしやすくなります。

 もう少し知恵をしぼると、ブラウザがキャッシュを使用するかどうかの判断をするのはURLが全く同じかどうかなので、URLの最後に付くパラメーターを変更してしまえば、取り直してくれるはずです。そこで、Tomcatの「フィルター」の登場です。フィルターのイメージはこんな感じです(↓)。ブラウザからの要求をサーバーが受け付ける直前に挿入して、そのフィルターの中で何らかの加工処理をすることができるのです。図からわかるように、フィルターは何枚でも好きなだけ入れることができ、例えば最初のフィルターで要求から応答までの時間を計測し、2番目のフィルターで要求パラメータと応答をログに書き出す、なんて使い方ができるのです。

 今回の覚書きは、JSPやHTMLの中でJSやCSSファイルを参照している場合、フィルターを使ってファイルのURL参照にパラメータをつけてしまおうという発想です。例えばJSPを参照している次のようなソースコードがJSPにあったとします。

   <script type="text/javascript" src="../js/yamachan.js"></script>

 これをフィルターを使って

   <script type="text/javascript" src="../js/yamachan.js?_rev=1"></script>

のようにレビジョン番号をつけましょう。アプリケーションのリリース時に付けられたレビジョン番号を取得する箇所は、今回は省略します。何らかの方法でアプリのレビジョン番号を取得し、その番号をJS・CSSを参照している箇所にパラメータとして付加するという処理をフィルターで行なわせるのです。

package yamachan;
import java.io.*;
import javax.servlet.*;
import javax.servlet.http.*;
public class CacheControlFilter implements Filter {
 // Filterのオーバーライド
 @Override
 public void doFilter(ServletRequest arg0, ServletResponse arg1
   , FilterChain arg2) throws IOException, ServletException {
  CharResponseWrapper wrapper 
    = new CharResponseWrapper((HttpServletResponse) arg1); // (1)
  // 次のフィルターに委譲(arg1ではなくwrapperを渡すのがミソ)
  arg2.doFilter(arg0, wrapper); // (2)
  // レスポンスを加工処理
  String requestUrl = ((HttpServletRequest)arg0).getRequestURI()
    .toLowerCase(Locale.ENGLISH);
  PrintWriter writer = arg1.getWriter();
  String fromString = wrapper.toString(); // (3)
  String revision = revision();
  String toString = fromString
     .replaceAll("\\.js\"", ".js?_rev=" + revision() + "\"")
     .replaceAll("\\.css\"", ".css?_rev=" + revision() + "\"");
  toWriter.append(toString); // (4)
  toWriter.close();
 }
 // アプリケーションのレビジョンを取得する処理(今回は省略)
 private String revision() {
  ...... (省略)
 }

 // レスポンスのWriterをすり替えるための内部クラス
 static class CharResponseWrapper extends HttpServletResponseWrapper {
  private CharArrayWriter output;
  public String toString() {
   return output.toString();
  }
  public CharResponseWrapper(HttpServletResponse response) {
   super(response);
   output = new CharArrayWriter();
  }
  public PrintWriter getWriter() {
   return new PrintWriter(output);
  }
 }
}

 このプログラムは多少テクニカルなので、注意が必要です。まずフィルターというのは、デザインパターンでいうところのChain of Responsibilityというパターンが使用されているのですが、デザインパターンの話は別の機会に譲るとして、上のフィルターの図とこのdoFilter()というメソッドのコードがきっちり対応していることに注意して下さい。プログラムの(2)より前がリクエストがやってきて本来の要求先へ行く前にフィルターで加工処理をする部分、(2)が次のフィルター(または本来の要求先)に渡すところ、(2)より後はレスポンスがこのフィルターを通ってブラウザ側へ戻って行くところで加工処理を行う部分です。(2)は次のフィルター(または本来の要求先)に処理を引き渡すところなので、お約束の書き方だと思って下さい。

 それでは、具体的にこのdoFilter()の内容を見ていきましょう。最初に(1)(2)において、渡されてきたレスポンスをCharResponseWrapperという内部クラスのインスタンスwrapperに置き換えていることに注意して下さい。このWriterの "すり替え" によって、次以降のフィルターやJSP・サーブレットが一生懸命レスポンスに文字列を書き出しても、実は本物のレスポンスに書き出されず、wrapperに書き出されてしまうのです。そして、次以降のフィルターやJSP・サーブレットなど本来の要求先で書き出した文字列は、(3)でfromStringに取得できます。そうすれば、後はこのfromStringに含まれる ".js", ".css" をアプリのレビジョン番号をパラメータとして付加した文字列に変換し、このフィルターの中で本来のWriterに書き出してやればいい(プログラム中の(4))わけです。テクニカルなのは、この本来のレスポンスの "すり替え" によって、本物のWriterへの書き出しをこのフィルターの中で行なうところです。

 なかなかテクニカルでしたね。しかーし。これだけではまだちゃんと動かないのです。今回はだいぶ長くなってしまったので、続きは次回に回したいと思います。お楽しみに!

2017年8月2日水曜日

有給休暇「日数増やして」より「買い取って」 休めない理由は

有給休暇「日数増やして」より「買い取って」 休めない理由は - ITmedia NEWS:

 今回の話題は、最近よく言われていてこの山ちゃんウェブログでも何度となく取り上げている「働き方改革」。なかでも有給休暇の取得に関するBiglobeのアンケート調査に関して、ITmediaの村田朱梨氏が書かれている記事を元に考えてみようと思います。

 まず最初は、タイトルにもなっている有給休暇に関する希望です(↓)。「取得率100%」や政府が言う「日数増加」を押さえ、「買取り」が45.3%と最も高いと言う結果になりました。有給休暇を取得しましょうというお題目はわかりますが、現実問題としてそんなもの取れない、ならばせめて現金に換えてくれるなら休めない現実に納得感を得られる。そんな心理かもしれません。


 ではなぜ有給休暇を取得できないのかというと(↓)、世代を問わずトップは「職場に休める空気がないから」。しかし面白いのは、2位が世代によって大きく異なっていることです。20-30代では「上司・同僚が有給休暇を取らないから」が2位。つまり、上司や先輩が休まないのに自分だけが休みづらいということで、ある意味1位の周囲の雰囲気に気兼ねするのと同じ理由と言えるかもしれません。しかし、40代では「自分が休むと同僚が多く働くことになるから」がトップ。そろそろ仕事上のエースや中間管理職にもなる場合が多いこの世代は、責任感の重さや部下に対する気遣いで多くの仕事を抱え込んでいるのかもしれません。さらに年代が上がって50代にもなると、「自分で仕事をコントロールできない業務だから」「業務対応が発生するかもしれないから」が同率で2位。部下の仕事に対して責任をとる立場が多いこの世代は、何かあったときのために「そこにいる」ことが仕事だと認識している場合もあるでしょう。


 理想は有給休暇を気兼ねなく自由に取得できる環境ですが、これまでのアンケート結果からは現実的にはなかなかそうなっていない様子が見て取れます。では、有給休暇を取りやすくするに、会社の制度と個々の意識のどちらを変えるべきかという質問には、「会社の制度」と答える人が「個々の意識」をダブルスコアで上回りました。職場に蔓延する「休めない空気」は、個人ではどうしよもないレベル。会社の制度という外圧で、その空気を取り払って欲しいという切実なる願いが見て取れる気がします。


 自分の会社でも、特に今年度に入ってからは、「働き方改革」というスローガンのもとで有給休暇の事前申請と100%m取得のためのフォローが来るようになりました。部署ごとに働き方改革のためにどんなアクティビティを行なうのかを提出させられたり、部下が有給休暇を取得していなければ管理職が無能扱いされます。自分の会社は比較的大手のメーカーなので、一応お題目通りの「働き方改革」が実行に移されていますが、中小企業など、社員に無理させることで利益を絞り出しているところもまだまだあることと思います。そういうところで有給休暇100%取得は、「絵に描いた餅」「夢のまた夢」かもしれません。やはり本音は「休めない現実は現金で納得させてくれ」。そんなところなのかもしれませんね。

2017年8月1日火曜日

青春だけが人生にあらず、生きててよかったと思えるピークの時期は80代

青春だけが人生にあらず、生きててよかったと思えるピークの時期は80代 - GIGAZINE:

 今回は2011年ととても古い記事のご紹介なのですが、人生で最も幸福を感じるピークは何と80代だという話題です。自分は40歳代なのですが、これまで29歳から30歳になったときや39歳から40歳になったときなど、もう若くないんだとショックを受けることがありました。他にも、年下の横綱が出てきたときや同年代のプロ野球選手が引退したり監督になったときなど、やはり自分はもう若くないんだと落ち込んだものです。その心理は、自分と同年代や年下の人が何かを成し遂げたのに比べて自分は何も成し遂げられていないという焦燥感だったように思います。

 それだけでなく、日本では比較的「若さ」が優遇されるというか、「若い」ことが幸せであるかのような風潮もあると思います。それを考えると、青春時代を幸せのピークにしてこれからは人生の下り坂になってしまう気になっているところを、今回の元記事は本当の幸せはまだまだ先にあると勇気づけてくれるような気がします。元記事によれば、充足感と楽観主義的な考え方は中年を迎えたころから強まっていき、若いころに感じていた幸福感をあっさりとしのぎ、80歳代でピークを迎えるという研究結果が発表されたのだそうです。

 University College Londonで生物学を研究するLewis Wolpert名誉教授によれば、一生のうちに感じる幸福の度合いについての研究の結果、10歳代~20歳代はほとんどの人が幸福感を持っていて、その後中年に向かっては、家族を養ったり仕事のプレッシャーなどで幸福度はどんどん下がっていくそうです。しかし、ここから盛り返すのです。40歳代の中盤くらいから陽気で楽観的になる傾向が見られ、70歳代~80歳代にかけてピークに達するというのです。また、「the American National Academy of Sciences」で発表された、34万1000人もの被験者に対して行われた研究によれば、成人からしばらくは幸福感は減少していきますが、40代後半に再び上昇傾向を見せ始めて85歳でピークに達すると言います。

 Wolpert名誉教授の同僚で心理学を担当するAndrew Steptoe教授は、現代の高齢者は昔と比べて健康であることが多い点と、経験を重ねることで楽しみへの目の向け方や気持ちの沈みを避けるためのテクニックが備わってくることも大きいそうです。確かに、若いときはガムシャラに何でもトライして成功すれば嬉しいし失敗すれば悲しかったものですが、年齢を重ねて自分が幸せを感じる方向への進み方が身についてくる感覚は40歳代の自分もわかる気がします。さらに年齢を重ねることでこの感覚がもっと研ぎ澄まされて行き、人生の終盤に幸せのピークがくるというのは私たちに希望を与えてくれると思います。

 これまでの自分もそうだったのですが、「若さ」にプラスのイメージを「老い」にマイナスのイメージを感じる人も多いと思います。しかし、最近の研究が示す幸福感のピークに関する報告を見ると、神様は、人が人生を途中で諦めてしまわないよう、お楽しみを最後まで取っておいてくれているということかもしれません。