2017年9月21日木曜日

企業が求めるのは、努力家よりも天才型

Hard Work Or Natural Talent? Study Reveals What Impresses Hiring Managers The Most:

 今回の話題は、Amy Morin氏によるForbesの記事を元に、企業が求めている人材は実は真面目さや勤勉さよりも天性の資質だったという研究結果についてです。紹介されているのはUniversity College LondonのChia-Jung Tsay教授らによる研究結果で、実はこの山ちゃんウェブログでも以前に同じTsay教授の研究結果を元にしたDIAMONDハーバード・ビジネス・レビューの日本語記事を取り上げたことがありました。

 Tsay教授の研究では、企業における採用の場面を設定し、被験者の半分に対し候補者であるCharles氏は天性リーダーシップがあると伝え、残りの半分には彼は人間関係を構築してリーダーになった努力家だと伝えます。その後全員の被験者にCharles氏の音声によるビジネスプランを聞いてもらい、採用の見込みやビジネスプランの評価をしてもらうというものです。結果は、Charlesは天性の才能の持ち主だと伝えたグループの方が、彼を高く評価する傾向が明らかになったのです。

 また、被験者に管理スキル・リーダーシップ経験・IQ・これまで集めた投資家からの資金・天才型か努力家かという5つの特性が異なるの候補者のペアを提示し、採用の見込みについて質問するという実験では、60%の被験者が努力家よりも天才型の候補者を選びました。さらに、努力家の候補者より天才型の候補者の方が高い報酬が必要だとしても、天才型の候補者を選ぶ傾向があったのです。努力家の候補者が天才型の候補者に勝つためには、4年分のリーダーシップ・8%分の管理スキル・30ポイント分のIQ・3万ドル分の資金のいずれかが余計に必要だったのです。

 つまりTsay教授の研究によれば、人事担当者は天性の才能を持つ人に対して強いバイアスを持つということです。しかも面白いことに、被験者のほとんどは自らのこのバイアスに気づいておらず、むしろ自分は天才型よりも努力家の方を高く評価していると考えているのだそうです。

 これから企業の採用試験に臨むという方は、自分は長年の経験があるとか勤勉だとかいう点をアピールするのではなく、いくつかのスキルを生まれ持っているという印象を与えるようにする方がいい結果に繋がるかもしれません。採用試験だけでなく、顧客から信頼を得たいときや上司からの評価を受けるとき、逆に自分が人を評価しようとするときも、相手が気づいていない「天才バイアス」の事実を知っておくと何かと有利に働くかもしれませんね。

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