2017年10月19日木曜日

「人の話は最後まで聞け」は世界の非常識だった

「人の話は最後まで聞け」というマナーは、世界の非常識だった (ムーギー・キム) | 現代ビジネス | 講談社(1/3):

 今回は、「みんな仲良く」という気質がある割に人間関係に距離を取りたがる日本人が苦手なダイレクトコミュニケーションについて、ムーギー・キム氏の記事を元に次回の念も込めて考えてみたいと思います。日本の会議やミーティングの場では、意見を述べない人や発言すらしない人もいたりしますが、そういう態度はダイレクトコミュニケーションが前提のグローバルな場では通用しません。キム氏が提案する、日本人がグローバルな場でもコミュニケーションできるようになるための方法が「なるほど」と思うものだったので、ここでご紹介したいと思います。

(1)ポジションをとって断言せよ(否定されても、正解がなくても、言い切れ)
 まず一つ目は、ポジションを取ることです。ポジションというのは、簡単にいうとYESかNOか(あるいはAgreeなのかDisagreeなのか)ということで、自分がどちらの立場に立つかです。日本人がやりがちな賛成でも反対でもないという態度をとるのが最悪で、日本的「日和見」「玉虫色」というヤツは世界的には最も嫌われます。
 欧米ではディベートの教育を受けているので、YesかNoかどちらかの立場に立って議論を戦わせるという文化に慣れています。トレーニング段階では、本心ではYesと思っていてもNoの立場で議論するという練習もします。日本人は正直者なので、本心でYesでもNoでもないと思っている時に、極端なYesやNoの立場を取りづらいのです。しかし、国際的なビジネスの場では、日和見で信頼を失うことが最も最悪です。6対4でややYes寄りかなと思った時は間違いなくYesだと断言し、本当に5対5という場合でもYes・Noのどちらの立場に立った方が議論しやすいかを考えて態度を決めてください。そして一度態度を決めたら、最初から10対0でこれしかないと思っていたくらいの勢いで、相手をマウントするのです。

(2)意見の否定は、人格の否定ではない
 日本人は、意見の否定と人格の否定を混同してしまうことが多いようです。自分もソフトウェア開発という世界にいるので、ドキュメントレビューやソースコードレビューという場に立ち会ったことがありますが、ついつい「お前の作るドキュメントはいつも...」とか「何年この仕事をやってるんだ」とか、成果物をブラッシュアップしようという場というよりは個人攻撃の場になってしまっているケースが多々あります。世界ではその辺がドライなので、たとえ(1)によって取り敢えずYesかNoの立場に立って出した意見をコテンパンにやられたとしても、それはあなたの人格が否定されたわけではないのです。それが証拠に、相手はそれまでの白熱した議論をコロッと忘れて食事に誘ってきたりしますから。

(3)自分が常識と思っている発話のルールを疑え
 私たちには「人の話は最後まで聞け」とか「無意味に大声で話してはいけない」など、会話の際の常識として教えられてきたことがあります。しかし、そういった "常識" は世界の常識ではありません。極端な言い方をすると、国際的な場における議論はある種の「ケンカ」です。悠長に自分に発言の機会が与えられるのを待っていては、いつまでたっても発言の機会など訪れないケースもたくさんあります。相手の話の切れ目やちょっとした隙間を見つけたら、すかさず大きな声で割って入って下さい。ダイレクトコミュニケーションの場では「話したもの勝ち」と思って下さい。黙っていることで相手が何かを察してくれたり、空気を読んでくれたりすることはありません。発言したことが全てなので、いかに多く話すかが重要です。

 実は自分も極めて日本人的でどちらかというのシャイな性格なので、ダイレクトコミュニケーションは特に苦手な分野です。先日もある国際会議に出席したのですが、会話に割って入るなんてことはとてもじゃないけどできず、苦い思い出になってしまいました。話されている英語についていくのも精一杯ということもあったのですが、熱い議論を戦わせる場というより静かに1人1人が発表したり意見を述べたりする雰囲気であったにも関わらずです。その国際会議の前にキム氏のこの元記事に出会って、内容を肝に命じていられればよかったのにと後悔しきりです。

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