2017年11月19日日曜日

全自動農業という希望

農夫のいない農場 | VICE JAPAN:

 今回はClaire Downs氏の記事を元に、イマドキの農業はこんな風になっているんだという話題を。元記事で紹介されているのが、土地を耕すところから、農作物が育てて収穫するまでを管理する、世界初の完全オートメーション農業「ハンズフリー・ヘクタール(Hands Free Hectare)」です。完全オートメーションと言うだけあって、トラクターやコンバインといった農業機械だけでなく、カメラやレーザー・GPSにドローンといったハイテクが駆使されています。

 ハンズフリー・ヘクタールは、2016年10月、政府の資金提供20万ポンド(約3000万円)を受けたハーパー・アダムス大学のチームによって行われているプロジェクトで、英国シュロップシャーの農園では今年の秋見事に収穫の時を迎えたのだそうです。収穫されたのは大麦4.9トン。プロジェクトリーダーのKit Franklin氏によれば「ヘクタール単価が史上最高額の大麦畑」だそうですが、もちろん最終的には規模の原理による低コスト化を目指します。



 実は今、全自動農業を進める企業や団体は多いのだそうで、今年9月には、トラクター・メーカーであるJohn Deereが自動雑草除去マシン実用化のために、AI企業のBlue River Technologyを買収したり、京都のロボット・レタス工場 スプレッドは、日量3万株のレタスを生産しています。スタートアップ企業のDescartes Labsは、衛星画像の分析データを利用して、作物生産高の予測を行なっています。

 日本もそうですが、先進諸国では農業や漁業・林業などの一次産業は、高齢化による人手不足が深刻です。そんなピンチの救世主は、やはりロボットやIoT・AIなどの先端テクノロジーでしょう。Franklin氏は「(テクノロジーは)人の仕事を奪うのではない。人の仕事を変えるのだ」と述べておられます。農業分野における人間の仕事は、これまでの自ら手を動かし体を動かすことから、トラクターマネジャーとか農業アナリストとしてロボットを管理したり作物の成長を管理する、そんな仕事に変わってくのかもしれません。

 やはり、一次産業・二次産業というのは、基本的に身体を動かす仕事です。いわゆる肉体的な「労働(Labour)」については、テクノロジーによる置き換えが歓迎される傾向にあります。人間にはそのLabourを管理する仕事(Work)が残されており、肉体的に負担の大きいLabourはテクノロジーが担い、代わって人間は負担の少ないWorkへ移行するというのは、歴史的に人間がテクノロジーを開発してきた大きな動機です。一方で人間はまだ、Workの次に移行すべき仕事をはっきり見出せていませんので、テクノロジーがWorkをも取って代わろうとすると、人間側から大きな反発が生まれてしまうのです。

 人々の歓迎を受けて発展することができるテクノロジー、それが農業はじめとする一次産業や工場作業のような二次産業のアプリケーションで、そこでは人間は安心してテクノロジーの発展を受け入れられます。工場作業の中にはほとんど完全オートメーションという分野もありますが、農業・漁業・林業も完全オートメーションという時代が、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。

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