2017年12月14日木曜日

大企業への就職と出世を諦めてはいけないワケ

生涯賃金、年金…課長とヒラの出世格差の現実:日経ビジネスオンライン:

 すでにボーナスが出た会社も多いこの時期、考えてみようと思うのは出世格差の現実。もちろん自分も普通の電機メーカーに勤めるサラリーマンですから、収入面で管理職とヒラの格差があるのは理解していますが、現実論としてそれはどれ程なのかということには目を背けてきた面もありました。元記事は日経ビジネス アソシエ編集部によるもので、人事コンサルタントでセレクションアンドバリエーション社長の平康慶浩氏へのインタビューとして書かれています。

 日本生産性本部 日本経済青年協議会による数字では、2017年入社の新入社員で、課長以上の管理職を目指すとい人の割合は48%で、これは実は現在の30代、40代が新入社員だった頃と大きく変わりません(↓)。じゃあその48%の人がどのくらいまで出世したいかというと、自分と同世代の40代くらいの人が新入社員だった頃は社長を目指すと意気込む人が20%ほどいたにも関わらず、今年の新入社員では約12%。サラリーマン生活で目指すゴールを、比較的手の届きやすいところに置く人が増えているようです。一方でやはり半数くらいの人は、そもそも出世を目指さないと答えているのですが、出世したい人もしたくない思わない人も、現実的な数字を知らずにキャリアプランを決めてしまっているのではないかと思うのです。自分も、シャカリキに出世したいというよりは家庭と仕事を両立した中で出世できれば御の字だけど、出世できなくても生活に困ることなくやりがいを持てる仕事ができれば十分というくらいに考えていました。


 下の2つのグラフのうち、最初の方は年代別の課長の割合ですが、自分と同じ40代前半だと約1割の人が課長職になっていることがわかります。下の方のグラフは部長の割合を示していますが、50代後半で1割ほど。モデルケース的には、40代で課長、そこから10年ほど経って50代で部長になるというのが典型的な出世コースのようです。



 では、出世コースを歩む人とヒラのままの人の収入格差について、現実の数字を見てみましょう。厚生労働省「平成28年賃金構造基本統計調査」をベースに元記事で示されていたグラフ(↓)ですが、最初が大企業の場合、そして2番目が中企業、最後のものが小企業の場合を表しています。やはり大企業の部長・課長ともなると若くても年収1千万を超えてきますが、自分と同じ40代前半の世代の場合で課長と平社員の年収差は1.7倍もあります。ちなみに平康氏によれば、これまでは課長に昇進すると残業代がつかなくなって給料が減る「逆転現象」が起こっていたのですが、働き方改革の影響でそもそも残業を抑制されるので、今後は逆転が減ってくるどころか格差がより開く見込みだそうです。




 これらの数字を元に、有限会社人事・労務で試算された生涯賃金と年金についての数字がこちら(↓)。係長・課長・部長と順調に出世コースを歩む人は、1段階規模の大きな会社の係長止まりの人を上回る生涯賃金が得られるわけです。




しかし、この試算結果を見た自分の感想としては、むしろ、やはり大企業が有利なんだという驚きでした。大企業に勤めていれば、係長止まりだったとしても中小企業の出世コースの人とそれ程差がないのですから。こういう数字って、例えば就職活動の時ってあまり知らないと思うんです。こういう数字をきちんと知った上で、勢いのあるベンチャー企業や中小企業に就職して自分の手で会社を大きくしてやろうという野心がある人の場合はいいのですが、大企業で埋もれるよりも中小企業で出世しようと考えた人は、後悔してしまうかもしれません。

 日本の場合、大企業への就職や出世にこだわることをよしとしない風潮がある気がします。実際、最初のグラフで見たように、約半数の人は出世したいと思わないと答えていますが、たとえ本心では出世したくても、出世なんてどこ吹く風と見せたくてわざとそう答えているのかも知れません。元記事では示されていませんが、就職の時に大企業にこだわらず中小企業でもいいと答える人も、それなりに多いと予想されます。しかし、安易に「大企業でなくていい」「出世しないでいい」と言えてしまうのは、そう決めた自分の人生がその後どうなるかを分かっていないからではないでしょうか。ここではあえてこう結論づけたいと思います。学生の方は「大企業への就職」を、すでに就職している人は「出世」を、どんどん目指して下さいと。

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