2018年5月29日火曜日

人間もこの世界も誰かのシミュレーションかも知れない

現実世界はシミュレーションに過ぎないという「シミュレーション仮説」とは? - GIGAZINE:

 前回「数学的に『神が存在する』ことを証明しよう」という記事の中で、神が存在することよりも複数の神が存在することよりも、もっと確率が高いのは、「シミュレーション仮説」と呼ばれる、我々が誰かのシミュレーションのなかの登場人物だとする仮説だという話を書きました。今回はその「シミュレーション仮説」について、アニメーションムービー「Is Reality Real? The Simulation Argument」で解説されていましたので、紹介したいと思います(↓)。


 「シミュレーション仮説」というのは、私たち人間や私たちが生きているこの世界は、実は高度な文明をもつ宇宙人によってシミュレートされた世界ではないか、という仮説です。あのイーロン・マスク氏もこの説を支持しているのだとか。

 シミュレーション仮説に関する確たる方法論はないのですが、もしこの世界がシミュレーションだと仮定すれば、一体どういうことになるのかを考えてみましょう。ムービーで前提となっているのは、ニック・ボストロム氏の出した仮説で、それを元に5つの仮定を考えてみましょう。

(1)意識はシミュレートできる
 人間の持つ意識。人間の仕事を奪ってしまうと言われる人工知能(弱いAI)ですら持つことがないと考えられている「意識」。しかし、一体「意識」とは何でしょうか。「意識」を正しく定義できる人はいないのではないかと思います。それならば、外から見て「意識」がそこに存在すると見えるならば、それは「意識」を持っているとみなせるという立場に立ってみましょう。外から見て「意識」があるように見せることは、十分にコンピュータでもシミュレートできるでしょう。
 コンピュータで人間の脳をシミュレートして、意識があると外部に見せようと考えると、脳のシナプス間のやりとりは1秒間に1垓(10の20乗)回ですので、歴史上のすべての人間の意識をすべてシミュレートしようとすると、平均1人当たり50年間生きるとして、3000万秒/年×50年×のべ2000億人×1垓回/人・秒=3e+40=3正の計算が必要ということになります。(いやー「正」なんて単位は初めて見ましたね。それでも不可思議(e+64)、無量大数(e+68)といったところに比べれば、多すぎて手に負えないとまでは行かないでしょう...)
 ただし注意しなければならないのは、これは人間の脳の中の事象だけをシミュレートした時の計算回数ですので、この世界を構成するすべての要素をシミュレートしようとしたら、やはりとんでもない回数になるはずです。

(2)技術の進歩はすぐには止まらない
 これまでも人間はとてつもない技術の進歩を遂げてきました。自分が子供の頃は夢のまた夢だった人工知能(AI)も、あっという間にチェスや囲碁では人間を凌駕するまでになりました。この勢いでいけば、人間はいずれ神の領域にも達してしまうかもしれません。
 (1)で試算した「意識」をシミュレートする計算回数も、実行可能なコンピュータを発明してしまう可能性は十分にあります。(注目を集めている、量子コンピュータも大きなブレークスルーでしたし、今後も同じようなブレークスルーが起きるでしょう)

(3)高度に進化した文明は自滅を免れる
 アトランティスやムーのように、文明が高度に発展すると必ず滅びてしまうというなら、(2)の技術進歩が究極的なところに至ることはできません。文明が高度に進化して「Great Filters」と呼ばれるバリアを築くことで、核戦争や隕石の衝突・気候変動などのインパクトにも耐えられる世界が作れるでしょう。

(4)高度に発展した文明はシミュレーションを求める
 人類はこれまでも自らよりも下等な動物に対して、様々な分析やシミュレーションをしてきました。人類が高度に進化した先の存在「ポストヒューマン」なら、今の人類のレベルをシミュレーションしようという動機は十分かもしれません。

(5)大量のシミュレーションがあるならば、その中の一つに人類が住む可能性がある
 ポストヒューマンが際限のないコンピューターの力を手にし、数百万もの宇宙をシミュレートすれば、その中には数十億の意識ある(ように見える)生き物が存在することになり、その中は我々が含まれている可能性は十分にあるでしょう。

 ニック・ボストロム氏のこれらの仮説は、現時点で正しさを証明できない多くの仮定にもとづいていています。逆に言えば誤りを証明することもできない仮定ですから、「正しいとも間違っているとも判断できない」「可能性としてはあり得る」というのが自分の思うところです。もちろん、ここにリアルに存在する自分というものも、リアルに感じる太陽の光もそよぐ風も全てがシミュレーションなんだと言われると、感情的には違和感アリアリですけどね。

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