2018年6月11日月曜日

日本って思ったより大きいんだ!

https://thetruesize.com/ :

 今回は日本の国土って意外に大きいんだという話題です。元記事はJames Talmage氏とDamon Maneice氏が製作した「The True Size Of...」というサイト。国名を入れるとその国を世界地図上のいろいろなところへドラッグでき、大きさを比較できるという面白いサイトです。そして試しに「Japan」と入力して表示された日本をヨーロッパにドラッグしたものがこちらです(↓)。

 どうです? 日本って思ったより大きくありませんか。ヨーロッパが実際より大きい印象があるのに対して、日本は実際より小さい印象がある気がします。例えばイギリスが244,820km²なのに対して、日本は377,914km²と、日本の方がだいぶ大きいのですが、なんとなく同じくらいかなと思っていませんでしたか。

 日本を実際より小さく、ヨーロッパ諸国を実際より大きいと錯覚させている元凶が、小学生か中学生くらいの時の授業で習った「メルカトル図法(Mercator projection)」。子供の頃から見慣れているこの地図は、地理学者ゲラルドゥス・メルカトル氏が1569年に発表した投影法の地図です。等角航路が直線で表されるので、海図・航路用地図としては極めて有用なのですが、世界地図をこれで表すのには極めて大きな弱点があります。その最大の弱点とは...面積が不正確なことです。しかも極めて不正確なのです。何しろ北極と南極は本来は点であるにも関わらず無限大に拡大されるのですから。

 つまりメルカトル図法の地図では、赤道に近いほど小さく、北極・南極に近いほど大きく表示されるわけです。例えばメルカトル図法では、日本が実際より小さく表示されるのに対して、グリーンランドは実際より大きく表示されます。元記事のサイトでグリーンランドを日本のすぐ横に持ってきてみると、思ったほど大きくないことに気づきます。実際は日本の面積の5.7倍あるので決して小さくはないのですが、それでも、メルカトル図法の地図で馬鹿でかく描かれている印象から、もっともっと大きいと錯覚していませんでしたか。

 面積の大きな国を順番に赤道上に並べてみましょう(↓)。確かに、ロシアやカナダ・中国の国土は大きい。大きいですが、メルカトル図法に騙されて、もっともっと大きいと錯覚していませんでしたか。

 自分もそうですが、子供の頃から一番見慣れている世界地図はメルカトル図法のような気がします。日本以外の国の小学校や中学校でどんな地図が使われているのか知らないのですが、日本におけるメルカトル図法の「印象操作」は強烈なものがあります。子供の頃から、こんな地図(↓)を見せられて視覚的に「日本は小さい」「小さい国土しかない日本」と刷り込まるわけです。もちろん、国土の大きさが全てではありませんが、小さい国土しかないと思い込まされている日本人は、精神的にもどこか引け目というか腰が引けてしまうところがある気がします。


 国土の広さランキングでは日本は第62位。ジンバブエ(61位)とドイツ(63位)の間で、世界196カ国の中ではどちらかというと大きな方だと言えるでしょう。先に述べたように、国土の広さで精神的に強気・弱気になるわけではないのですが、もともと控えめというか自らをへりくだる傾向がある日本人の精神構造に、「小さな国土」という先入観が加わることで、必要以上にへりくだったり自らを下に考えてしまっているのではないかと思うのです。そして、言い過ぎかもしれませんが、国際社会における日本人の弱腰ぶりとか、ワールドワイドなビジネスの場において日本企業がリードできないのも、この「日本は小さい」という刷り込みにも一因があるのではないかと思うのです。

 実は面積をできるだけ正しく表現できる地図図法というのもたくさんあります。例えばこちらのサイトでは、様々な地図図法が解説されていますので、その中から2つほどご紹介しましょう。1つ目は、サンソン図法という、すべての緯線と中央経線の長さが正しい地図です(↓)。高緯度の歪みが大きいので、ヨーロッパや米国など緯度の高い国々がだいぶ変な形になります。

 2つ目はモルワイデ図法(↓)。サンソン図法ほど極端な歪みを避けた表現で、これくらいなら高緯度の国々でも受け入れられるかもしれません。

 面積をそれなりに正しく表現できる地図があるのですから、自分は、小学校・中学校で子供に見せる地図はこちらを使って欲しいと思うのです。そして「日本は決して小さな国じゃない」という正しい認識を持って育って欲しい。例えば、帰国子女など幼い時期を海外で過ごした人の方が、物怖じせず世界の人とも対等に渡り合っていける人が多い気がしますが、それも海外で見せられる地図に日本が大きく載っていて、自分は日本人だというプライドが育つという理由もあるのかもしれない。「小さな日本」を刷り込まれて大人になった人よりも、「日本はそれなりに大きな国」という教育を受けて育った人の方が、世界に対しても臆することなく渡り合っていけるんじゃないかと思うのです。

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