2018年9月14日金曜日

強制されたボランティアをボランティアと呼べるのか

富士通は300人 「五輪ボランティア」企業からも“徴兵”開始

 今回は、東京オリンピックに向けたボランティア募集が9月の中旬から始まるという話題です。元記事は、日刊ゲンダイDIGITALの記事です。

 ボランティアの人員が学生だけでは足りないのか、東京五輪のスポンサー企業にはボランティアの“徴兵”が始まっているのだそうです。オリンピックゴールドパートナーの富士通は、東京五輪組織委員会からボランティア枠300人のノルマを課せられているのだとか。富士通は、社内募集により2,000人の応募があって324人を選抜している、社員に強制してはいないと言っているようですが、どうも胡散臭い気がします。というのも、富士通によれば、それは業務としてではなく積立休暇や有休を使わなければならないそうです。富士通のような大企業で働く忙しいビジネスマンが、わざわざ休みを取って、真夏の炎天下で熱中症になっても怪我しても労災が下りないボランティアなんかに行くでしょうか。富士通が「休みを取ってボランティアしていたので、今期の予算は達成できませんでした。キリッ」という理屈が通るならいいですが、そんな会社は聞いたことがありません。

 このニュース記事を見て、「国家総動員体制」という言葉が思い浮かんだのは、自分だけじゃないと思います。まるでさきの太平洋戦争じゃないですか。しかも、東京五輪組織委員会や各種組織の人たちが高い給料をもらっているのに対して、庶民はタダで働けと言っているんですよ。組織委員会の役員報酬は年2,400万円、宿泊・交通費なども全額支給なのに対して、ボランティアは報酬なしは当たり前で、宿泊・交通費も自腹。冷房の効いた部屋で踏ん反り返っている森喜朗元首相らと、炎天下の中無償労働を強いられる庶民の図。

 国際オリンピック委員会(IOC)のコーツ副会長は「やりたくなければ申し込まなければ良い」などと話しているそうですが、富士通ではボランティアに申し込まないとリストラ対象リストに載るという噂もあるくらいですから、ボランティアという名の「半強制」なのは明白です。もし自分の会社がこのノルマを課せられたら、各部から何人ずつ出せというお達しが来ることが容易に想像できます。そして一番仕事する若手から引っ張られるだろうことも、また容易に想像できます。

 個人的には、こんなボランティア強制で批判を浴びるようなことをしなくても、もっと単純に解決すればいいのにと思います。例えば、9万人とも言われるボランティアの方々に、1日1万円の日当を支払うんです。オリンピック・パラリンピックの20日間(オリンピック・パラリンピック各10日間)支払ったとしても、たったの180億円です。4,000億円もある協賛金からすればわずかな金額です。猛暑どころか酷暑が予想される2020年真夏の東京で過酷な作業をする労働者を確保する金額だと考えれば、とても安い金額だと思うんです。

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